自分のまわりは必ずしも
他と同じではないという気づき

とはいいつつ、「自分のまわりではこうだけど、ほかのドイツ在住者のまわりではちがうかもしれない」と思えるようになったのは、ドイツに住んで数年経ってからのことだった。

交換留学生として、ドイツ生活を謳歌していた2012年。勉強すればするだけ語学力が伸びるし、留学生と仲良くしたいというドイツ人がたくさんいるから、友だちづくりにも困らない。幸運なことに返済不要の奨学金を手にすることができたうえ、ユーロ危機の影響で1ユーロが90円代を記録。お金の心配もいらない。

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そんな恵まれた環境を通じて見たドイツは、まぎれもない「楽園」だった。

出会う人々はみんな外国人であるわたしに理解があったし、昼間からお酒を飲んでいても、10キロ太っても、だれもなにも言ってこない。言いたいことを主張することはイイコトだとされるし、だれもがわたしを「ドイツ語が上手」だと褒めてくれる。あぁ、もう最高! 一生住んでいたい!!

「楽園」と感じた中学生活だったが……Photo by iStock

そう思って、大学卒業後、意気揚々とドイツへ移住した。しかし、ただのひとりの外国人として暮らしはじめたわたしを待っていたのは、いままで自分が見たドイツとはまったくちがう現実だったのだ。