2019.11.03
# 動物
片目でもたくましく生きる若き「シトゥンペカムイ」の勇姿!
北海道から毎日お届け中!10時間以上の持久戦でやっと撮れた1枚
春に十字狐の子供を見かけた場所に、成長した姿を見に行きました。
以前、「シトゥンペカムイ(人に危機の到来を告げる神)」と紹介したあのキツネです。
しかし、警戒心が強く、300m離れていても逃げてしまいます。
何日通っても、その距離は縮まりません。
こうなったら、持久戦だ!と、野鳥撮影用のブラインドに入り、通りそうな場所で一日待ってみることにしました。
夜明け前から撮影に入りましたが、待っても待っても現れません。
そのうち、集中力が切れてブラインドの中で寝てしまいました。
カサカサという物音で目を覚ますと、目の前に十字狐が!

まだ、小さく、春に生まれた若いキツネです。
時間を見ると、夕方16時半でした。
待った時間は10時間以上。気が遠くなるような待ち時間ですが、動物撮影では、これが普通です。撮影できれば、そんな苦労はすぐに忘れてしまいます。
このキツネの右目を、よ~く見てみてください。
白く濁っています。おそらく失明しているんだと思います。
でも、動きは正常で、周囲への警戒も怠りません。
野生では、弱みを見せると一斉に天敵が襲ってきます。片目を失っても、弱みを見せるわけにはいかないのです。
その勇敢な姿は、他の個体と識別するポイントになるので、いつも十字狐に会うと、目を確認するようにしています。
頑張って生き抜くんだぞ!