# 飲食

プロレスラー川田利明さんが考えた「バイトテロ」を防ぐ究極の対策

「経営側」のホンネで話そう
川田 利明 プロフィール

「自動券売機」の意外な盲点

バイトを雇うのをやめ、それでもスムーズに店を回すために導入した秘密兵器、それは「自動券売機」だった。

入店したお客さんは、まずこの券売機で食べたいものを購入してもらう。

Photo by iStock

これで注文を取る手間も、会計をする手間もすべて省けることになる。これによって厨房にひとり、フロアひとりのふたり体制での営業が可能となった。おかげで人件費を大幅に削除することに成功した。

しかし、この自動券売機がけっこう高くて……ざっくり言うと、軽自動車が一台、買えてしまうぐらいの値段だ。イメージしていたよりも、かなり高かった。

ラーメン屋だと、よくカウンターの上に小さな券売機が置かれているケースも多いけれど、実はあれでも50~60万円はする。値段感としてはウチもそれでよかったんだけど、手作りのサイドメニューが多いのが俺のこだわり。小さな券売機では厳しかった。

結果、かなり大きな……それこそ家庭用の冷蔵庫ぐらいの大きさの券売機が店を入ったところに設置されることになった。

予想以上に高かったけれど、バイトに支払う人件費を考えた場合、長い目で見たら、確実にこちらのほうが安上がりになる。文句ひとつ言わないし、何よりも「お客さんがいないのに時給を払わなくちゃいけないのか」とイライラすることもなくなる。いろいろな意味で、券売機は導入してよかった。

 

最近ではこのシステムで営業をしている飲食店が増えてきたので、お客さんにも、そんなに抵抗感もなく使っていただけているようで、特段、「不便だ」という声も俺の耳には届いてはいない。

ただ、ひとつだけ難点があった。

これは導入してみて、初めてわかったことなのだが、とにかく初期設定に時間がかかって大変なのだ。

メニューボタンの部分には、とりあえずメニューを書いた紙を差し込めばいいのだが、それはあくまでも機械の「表」の話。機械に「このボタンを押したら、この食券を出すように」と理解させるために、いわゆる暗号みたいなものを入力するのだが、それが非常に面倒なのだ。

たとえば「鶏白湯ラーメン」と登録する時。キーボードで「鶏白湯ラーメン」と入力して終わり、というイージーなイメージだったのだが、やっぱりお金を扱う機械だけに、とにかくセキュリティーが厳しい。1文字登録するごとに、暗号を4つも入力しなくてはいけない。

ひとつのメニューを登録するだけでも手間のかかる仕事なのに、サイドメニューからドリンクまで入力していったら、その作業だけに没頭しても一日仕事になってしまう。

きっと、普段、なにげなく利用しているジュースの自動販売機も同じようなシステムになっているのだろうが、こうやって自分の店に導入しなかったら、こんな苦労は一生、知ることはなかっただろう。

*川田利明さんのトークショー開催決定です!詳細は以下をご覧ください

川田利明さん著『してはいけない逆説ビジネス学』重版記念イベント
日時  2019年11月24日(日)17:00~
場所  芳林堂書店高田馬場店8階イベントスペース
詳細リンク http://www.horindo.co.jp/t20191105/