2019.11.15
# 飲食

プロレスラー川田利明さんが考えた「バイトテロ」を防ぐ究極の対策

「経営側」のホンネで話そう
全日本プロレスの元トップレスラーで、現在はラーメン店を経営している川田利明さん。その奮闘ぶりを綴ったのが、著書『開業から3年以内に8割が潰れるラーメン屋を失敗を重ねながら10年も続けてきたプロレスラーが伝える「してはいけない」逆説ビジネス学』(ワニブックス)だ。近年、世の中を騒がせている「バイトテロ」。川田さんによれば、バイトテロを防ぐ「究極の対策」があるという。その意外な対策について、教えてもらった。

アルバイトを雇わない理由

予算を削減しようと考えた時に、俺が真っ先に考えたのは「アルバイトを雇うのをやめる」ことだった。

Photo by iStock

厨房の中は俺ひとりだけど、店が広いので、本当はフロアにはたくさん店員がいたほうがいい。ただ、そこにもこだわりがあって、最初からバイトの採用条件として「これまでに飲食店での勤務経験がある人」という部分に重きを置いた。

まったくの初心者にやって来られても、こっちは厨房を回すことだけで手いっぱいで、その人たちに指導をする余裕なんてない。だから、即戦力だけ採用した。

たしかに助かった。

でも、やっぱり無駄も多い。

お客さんがたくさんいる時には、本当に助かる存在だったけど、暇な時間帯、それこそお客さんがひとりも来なかった1時間にも、彼らには時給が発生する。俺は暇な時間を利用して仕込みとかをやるけれど、彼らはなんにもやることがない。それでもお金を払うというのは、ちょっとどうなんだろう、と思い始めていた。

 

しかも夜の10時を過ぎたら、時給を高くしなければいけない。お酒を飲んだお客さんが深夜になっても帰らない場合は、そのままバイトにも残ってもらっていたけど、そうなると、終電がなくなってしまうので、帰りのタクシー代も負担しなければならなくなる。これが予想外の大きな負担になった。

そもそも経営者とバイトは相容れない存在でもある。

経営者は「お客さんに喜んでもらう」ことを第一に考え、その先にいかにして利益を出して、店を大きくしていこうかと考える。会社でいえば、正社員の人たちもこれに近い考えを持っているんじゃないかと思う。

それに対してアルバイトは「1時間いくら」で働いている。極端な話、外に行列ができて、めちゃくちゃ忙しい1時間よりも、台風が近づいてきて、誰もやってこない1時間のほうが、彼らにとっては楽に稼げることになってしまう。みんなが思っている以上に、天気が集客に与える影響は大きいんだ。特に駅近じゃない店は。

経営者が頭を抱えてしまうような状況を、バイトは喜んでいる、というのはどう考えてもおかしな状況だけれども、この仕組みだけは変えることができない。

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