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大ヒット映画『ジョーカー』に見る「キモくて金のないおっさん」問題

弱者男性vs弱者女性の地獄絵図

映画『ジョーカー』が空前のヒットを飛ばしている。興行収入は30億円を突破。全国映画動員ランキングでは、4週連続1位の快挙を遂げた。配給会社のワーナー・ブラザースは『チャーリーとチョコレート工場』と同程度のヒットを見込んでいる。

(ここから先は作品のネタバレが入ります。あらかじめご了承ください)
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ジョーカーは絶妙な「白人男性」の弱者だった

治安の悪い都会でピエロを演じ、わずかな賃金を糧に暮らす主人公、アーサー。

顔は薄汚れて、子どもから追いはぎのターゲットにされるほどのガリガリ体形。さらに、持病で笑いの発作が起きるうえ、話のピントがずれているため職場でも変人扱い。

人生を一発逆転するためにお笑い芸人を目指すが客に全くウケず、福祉で受けられていたカウンセリングと持病の薬も、市の財政悪化で打ち切られる――。

「どん詰まり」としか言いようのない状況から始まる主人公の状況は、物語が進むにつれて悪化の一途をたどる。そして最後に吹っ切れた主人公は、バットマン・シリーズでおなじみの悪役に生まれ変わり、解放される。

 

公開後、「俺もジョーカーと同じかもしれない」と共感の声がSNSで見られた。対して「何も共感できない、狂人の物語。さっぱり分からなかった」との反論、さらには「ジョーカーに共感できない人は社会の強者なのだ、この物語は弱者にしか分からない」といった、過激な意見も出た。

特に面白いのは、ジョーカーが”白人男性”だったことだ。本来強者であるはずの「白人」と「男性」の掛け合わせ、それでも貧困と持病、コミュニケーションの問題のせいで、犯罪者にまで追いやられた。

筆者は映画を視聴しながら「日本のモテない男も、似たような立場にいる」と直感した。