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アリババのジャック・マー、さえない英語教師からいかにのし上がったか

落ちこぼれの起業術

1999年、あまりぱっとしない英語の教師が、数人の仲間とともにアパートの1室で小さなインターネットサイトを立ち上げた。それは、中国の中小企業の要求を見事につかみ、爆発的な成長を遂げた。いまその企業は、世界を大きく変えようとしている。

 

中国に生まれた世界最先端企業

10月6日公開の「中国は『長い長い停滞』の後、いかにして大転換を遂げたか」で述べたように、改革開放以降、中国には、新しい企業がいくつも生まれた。とりわけ、南巡講話以降、輸出産業が急成長した。

ただし、それらの企業は、従来型産業の企業だ。アメリカでいえば19世紀末、日本でいえば高度成長期に登場した企業の中国版である。

しかし、1990年代末に、新しい動きが生じた。中国にもシリコンバレー型の新企業が登場し、急成長したのだ。その代表がアリババだ。

1999年に企業間の電子商取引をサポートするマッチングサイト「阿里巴巴」(アリババ)が設立された。続いて、03年に個人対個人の電子商取引サイト「淘宝網」 (タオバオ)が、08年に「天猫」(Tモール)が設立され、急成長した。

ここ数年では、電子マネーなどフィンテックの分野で急成長し、世界最先端の新しい世界を切り開いている。

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アリババは、新しい中国を象徴する存在だ。

アリババを設立したのは、馬雲(ジャック・マー)だ。64年生まれ。学生時代には劣等生で、大学受験に2度失敗し、三輪自動車の運転手をやっていた。その後、師範学院の英語科を卒業して、故郷の杭州で、英語の教師となった。

94年に、通訳としてアメリカを訪れたときに、インターネットと出会った。

「ビール」という言葉を検索したところ、アメリカ、日本、ドイツのビールは見つかったが、中国のビールについては、検索結果がなかった。

つまり、中国では、この当時インターネットはほとんど使われていなかったのだ。これが、マーが巨大なビジネスチャンスを捉えるきっかけとなった。