配偶者を亡くしたあと、健康保険料を払わない「裏ワザ」とそのリスク

「最後のひとり暮らし」を乗り切る知恵
週刊現代 プロフィール

「夫の退職時のローン残高は約1000万円でした。夫は退職金1800万円のうち、半分以上をつかってローンを繰り上げ返済したのです」

こう語るのは都内在住の橋本美代さん(65歳・仮名)だ。

定年後に借金を残したくないと思い、夫はローンを繰り上げ返済した。ところが、そんな橋本さん夫婦を悲劇が襲う。退職から2年後に夫が亡くなったのである。

 

「繰り上げ返済をしていなければ、手元にはまとまったおカネが残っているはずでした。急ぐ必要はなかった」(橋本さん)

夫が先に亡くなるのは不幸だが、それも人生設計に入れておくべきだ。

NHK受信料が半額に

夫の死後、遺族年金を受給していれば使えるお得な制度もある。

「銀行でマル優口座を作っておくと、預貯金の元本350万円までの利子が非課税になります。さらに、特別マル優も使えば、合わせて700万円までの利子が非課税です」(ファイナンシャルプランナー・豊田眞弓氏)

遺族基礎年金をもらっていれば、ゆうちょ銀行のニュー福祉定期貯金を使うこともできる。一般の1年ものの定期貯金の金利に、0.1%を上乗せした金利を適用されるのだ。この分にもマル優を使えるので、利子は非課税にできる。

NHKの受信料も減らす方法がある。子どもの扶養に入り、家族割引を使うのだ。これで年間1万3990円(12ヵ月前払いのとき)の受信料が、なんと半額にできる。

ひとりの人生を生きていくためには、配偶者を失った時点で生命保険の見直しもやっておこう。

夫が先に亡くなった場合は、夫婦型家族型の保険の扱いに注意する。

「夫婦型の保険は契約者である夫が亡くなると、妻の保障もなくなる可能性があります。定年後なら、無理に医療保険に入る必要はありません」(前出・豊田氏)

公的保険や、高額療養費制度を活用できることを考えると、医療保険をやめる決断をしたほうがいい。

妻が先に亡くなった場合は、夫の生命保険の受取人の変更をまず行う。自分の死後、実家を相続する子どもの納税資金にするなど、目的を考えて新しい受取人を決めよう。

さらに、手厚すぎる保障も見直す機会だ。夫が倒れたときの妻の生活費のために入っていた医療保険は、解約する。

いつまでも、夫婦二人で生きていけるわけではない。夫・妻の死後、ひとりで生きていく知恵を身に着けておこう。

「週刊現代」2019年10月26日号より

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