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伝統工芸をアップデート! 京都の「ファミリービジネス」凄い挑戦

京都から革命が始まった

伝統的な染織産業の工房が多く集まる京都の西陣に、今、新たなビジネスの気運が生まれつつあることをご存じだろうか。伝統工芸の規制を打ち破りながら、まったく新しいビジネスへとアップデートさせようとする試みが進んでいるのだ。「京繡」の名匠を父にもつ、長艸繡巧房の長艸真吾さんが、そんな京都の伝統工芸が抱えるビジネスの課題と、いま進みつつある挑戦のリアルな「中身」を語った。

伝統工芸が抱える「悩み」

伝統工芸には、モノづくりにおいて特有の難しさがある。

まず、代々継承している場合、先代より高いレベルのもの、しかも時代とマッチしたものを生み出さないかぎり、その腕を認められない土壌がある。十分な技術を獲得してもなお、常にアップデートし続けなければ、「先代より腕が落ちた」と顧客が離れてしまうのだ。

その一方で、伝産法(伝統的工芸品産業の振興に関する法律)による規定が、障壁になっている現実がある。

 

私の家業である「京繡」なら、「主に絹織物に絹や金銀糸を使った刺繍」と定義されているのだが、工房ではビニールやレザーに刺繍を施すこともある。伝統的な技術を用いていても、それらは厳密にいえば「京繡」という伝統工芸品ではない。

この法律の縛りゆえに、新しい発想でモノづくりに挑戦する若手に業界から圧力がかかるという事例もある。

これは京都に限らず、全国の伝統工芸が抱えている問題だろう。