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「血液クレンジング」はなぜ倫理に反しているか、医師の私の考え

専門職に就く、全ての人へ

ある学生の問い

私は、現在総合心理学部という学部で教鞭をとっており、将来の心理専門職を目指す学生のためのいくつかのカリキュラムを担当している。そのうちの一つは「医学総論/人体の構造と機能および疾病」と題された半年間15回にわたる講義だ。

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驚かれることもあるが、この講義の一回(90分)を「医学の歴史」にあてている。

心理専門職(公認心理師)の国家試験に医学の歴史がそのまま出題されるわけではないけれど、学生には単に解剖学や生理学の知識を丸暗記するのではなく、医学や医療行為を支えている世界観や価値観や倫理といった根本的な側面に少しでも触れてもらい、それを将来の実践や研究に活かしてほしいと思っているからだ。

このカリキュラムでは毎回の講義のあとで学生にミニ・レポートを提出してもらっているが、先日、以下のような趣旨の感想と質問が記載されたレポートが届いた。それは、最近話題になった「血液クレンジング」という療法に関するものだった(詳細については変更を加えた)。

今回の講義では医学の歴史について学ぶことができました。ガレノスの「四体液説」はこれまで受けてきたほかの講義で聞いたことがあり、瀉血等といった行為があったということも学びました(注:四体液説、瀉血については後述)。現代の医学では根拠がないとも聞いたことがあります。

瀉血というのは最近ツイッター等でその有効性を問われている血液クレンジングと似たような行為だと感じました。斎藤先生は血液クレンジングについてどのような考えをお持ちですか。もし、安全性が確保された上で、悪い出来事が続いたり体調不良だったりといったようなときに、気分転換として、(例えば温泉やマッサージといったようなもののように)使うのであれば許されるという考え方もあるような気がするのですが。

私は学生に対して以下のような趣旨のコメントを返信した。