『ドクターX ~外科医・大門未知子~』公式サイトより

米倉涼子主演『ドクターX』が今回も「快進撃」を続ける理由

「流行と不易」のバランスが重要だ

第6シーズンとなる、米倉涼子主演『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)。「失敗しない」どころか、今回も快進撃が続いている。それを可能にしているのは、一体何なのか。

ヒットシリーズが衰退する要因は、皮肉なことに、「長く続いた」がゆえに生じるものが多い。しかし最も怖いのが、制作側とキャストの「慢心」だ。レギュラー出演者やスタッフの緊張感が緩み、ストーリーはワンパターンとなり、視聴者は飽き始める。シリーズ物こそ、現状維持どころか、「進化」が必要なのだ。

ただし、ベースとなる「世界観」は変えずに、細部は時代や社会とリンクさせながら、柔軟に変えていく。つまり「流行と不易」のバランスである。それをしっかり実現しているのが、このドラマなのだ。あらためて、近年の軌跡を振り返ってみたい。

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2014年〜病院が舞台の「仁義なき戦い」

「国立高度医療センター」という新たな舞台を設定し、手術室などの施設や設備を含め、病院としてのスケールをアップさせたのが、5年前の第3シーズンだ。

また、そこに居並ぶ面々も豪華だった。いきなり更迭される総長に中尾彬。入れ替わる新総長は北大路欣也。そして次期総長の座を狙うのが古谷一行である。

ライバル関係が続く外科部長は、伊武雅刀と遠藤憲一。また、前シリーズで帝都医大を追われながら、しっかり西京大病院長に収まっている西田敏行も“健在”だった。

 

しかも男たちの権力争いは、往年の「東映やくざ映画」のようにむき出しで、遠慮がなく、分かりやすい。すべてはヒロインを引き立てるためであり、おかげで実質的「紅一点」としての大門未知子の印象が一層鮮やかになっていく。

舞台の病院が変わろうと、男たちの争いが激化しようと、大門=米倉は決して変わらない。超のつく手術好き、天才的な腕前、少しヌケた男前な性格。このブレなさ加減こそが、このシリーズの命だ。