現在外資系投資顧問に勤務する川村真木子さんは、UCバークレー卒業後、長く外資系投資銀行でマネージングディレクターとして活躍してきた「バリキャリ金融女子」。シングルマザーの期間も長く、ジェンダーによる「賃金格差」には疑問を感じてきました。そんな川村さんが日本の居酒屋で出会った典型的グループとは。

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ある日都内の居酒屋で

男性のところに伝票が渡されること、多くありませんか? Photo by iStock

先日、都内の居酒屋で社員飲み会中のグループと隣合わせた。メンバーはアラフォーらしき計8人で、どうやら部署の集まりか何からしい。さて、お会計時。8人分のお会計を男性4人が払い、女性たちは何度も頭を下げ御礼を言う。中には明らかに男性より年上の女性社員もいる。関係性はわからないし、もしかしたら男性陣から女性陣になにかしら仕事でのお礼の会だった可能性もなくはない。でも、この日だけが「特別」というよりも、「いつも通りご馳走様」という慣れた様子だった

このグループの光景は、珍しいだろうか。いや、実は女性と男性とが食事をしている場合、お会計伝票が男性に渡されることは少なくないだろう。いや、殆どの場合男性に渡される。そして女性は頭を下げる。社会の枠組みに手足を縛られ、長い間チャンスを貰えず、賃金を押さえられ、結果として女性の方が歳上でも優秀でも「頭を下げる側」に回る。それが日本の女性が長らく「当たり前」としてきた日常だ。

殆どの女性が専業主婦だった時代はそれでも良かった。好むと好まざるに関わらず、社会における役割分担が明確だったので女性は「一歩下がる」これがデフォルトだった。誰もそれに対して異を唱えないし違和感も抱かない。朝ドラの『あさが来た!』のあさにせよ、『なつぞら』のなつにせよ、「一歩下がらず男性と同等に働く女性」が朝ドラのヒロインになるくらい、それは「当たり前ではないこと」だった。ちょっと前までこの国ではそんな時代が続いていた。