その土地に住む人だけが知る名店に、風光明媚なスポット、季節のお祭り……。秋田に住むクリエイターに、地元のお気に入りを教えてもらいました。
地元クリエイター①
鈴木了さん
秋田の泊まれる大人の秘密基地〈CRANDS〉代表
すずき・りょう
〈cochiデザイン事務所〉代表。空き事務所をリノベーションし、泊まれる大人の秘密基地〈CRANDS〉を2018年にオープン。
漁師
漁師の仕事話はまるでファンタジー。常識が違いすぎて、イメージが湧かないのだ。先日、船の上で仕事を見せてもらった。全部同じ種類に見えるカレイを、先のとんがったステッキで5種類に分けていく。魔法使いだった。そしてカレイはうまかった。
鳥海山 木のおもちゃ美術館
木のおもちゃが好きだ。息子は音が鳴るハイテクおもちゃの方がいいのかもしれないが。秋田の美しい廃校に、木のおもちゃをテーマにした美術館ができた。遊びに行ったら、幸せな気持ちになれる。●秋田県由利本荘市町村字鳴瀬台65-1
鹿の浦展望所からの夕日
秋田が嫌で出て行った18歳の僕。都会で遊んで、やっぱり秋田が好きと気づいて戻ってきた。それでも気持ちがどんよりする時は、帰り道に夕日を見る。この夕日を見られる日常が欲しくて戻ってきたから。●秋田県山本郡八峰町八森泊台89
白瀑神社
僕も毎年参加している、神輿を担いだまま滝に突っ込む奇祭がある。「ワッセワッセ」と掛け声を繰り返し、気分が最高潮に達した時、「フー」と裏声を発する。さながら田舎のパーティーピーポーだ。●秋田県山本郡八峰町八森字本館10
ババヘラ
婆(ババ)がヘラを使って盛り付けてくれるアイス「ババヘラ」。どストレートなネーミングの秋田のソウルフード。秋田の短い夏に現れる神出鬼没のババヘラ屋さんは、小さい頃から変わらない味。変わったのはババとの年齢差だけ。
地元クリエイター②
なりたいつかさん
工房amanoha、awayui
なりた・いつか
結婚を機に鹿角市へ移住。紫根染・茜染研究会やmakikoriに所属。写真、草木染め、セラピストなどで活動。目下アトリエを準備中。
後生掛温泉と蒸ノ湯温泉
あたり一面立ちこめる蒸気と泥を噴き上げる音。開湯300年の歴史を持つ後生掛温泉と、八幡平最古の秘湯、蒸ノ湯温泉。十和田八幡平国立公園に位置する両温泉は、天然の泥が溶けた、まさに神秘の温泉。●秋田県鹿角市八幡平熊沢国有林内
大日堂舞楽
私が初めて鹿角を訪れた時に参拝した、お正月のお祭り。冷えたお堂に置かれた赤く燃えた火鉢を囲んで、祭りの始まりを待つ。集落ごとに奉納される舞は、南部地方独特の衣装が目を引く。雪ん子たちの可愛らしさに目が釘付けになる。毎年1月2日。
大湯巡見使道
江戸時代、幕府の使いが鹿角を視察する際に通ったとされる道を、約7年もかけて地元の有志が掘り起こしたロマンの街道。かつて賑わったその道は、今はひっそりと静まり、たくさんの山の精霊たちに守られていました。〈大湯ストーンサークル館〉裏。
Coffee Houseクイーン
昔から鹿角の人々に親しまれてきた、花輪の商店街にひっそりとある喫茶店。定番のドリアやゼリーパフェは懐かしい味わい。夢の世界へタイムスリップしたかのような、ゆったりとした時間が流れます。●秋田県鹿角市花輪字下花輪2-1
おふくろの味 寿賀
鹿角市花輪の繁華街・親不孝通りの〈スナック寿賀〉。看板ママの浅石シガさん(85歳)は、名物料理に使う山菜もすべて早朝から自分で採りに。「料理は愛情。手抜きはなし!」というババの手料理と、溢れる格言が夜を彩る。●秋田県鹿角市花輪字堰向11