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まだ若くても、いますぐ着手すべき「明日、死んでもいい準備」

家族のためにも、自分のためにも

取捨選択がカギを握る

人間、いつ死ぬかはわからない。

旅立つとき、あなたの胸中に去来するのはどんな思いだろうか。人生でやり残した夢か、放置したままの財産のことか、それとも整理できていない思い出か。

あなたが亡くなれば、家には医者や警察がきて死亡の確認を行い、続いて葬儀社がやってくる。妻が涙をこらえながら葬式の話にあたふたしている。まもなく、子どもも駆けつけるだろう。

何の準備もしていないままこの瞬間を迎えたら、とめどない後悔がわいてくるかもしれない。それなのに、いつかやろう、そのうちやろうと先延ばしにしてしまう。それではダメだ。

残される家族に迷惑をかけないため、そして自分の人生の最後を意味あるものにするために、60歳を過ぎたら、明日死んでもいい準備を始める。決心の時は今だ。

では、一体どこから手をつければいいのか。はっきり言っておこう。すべてを完璧に準備するのは無理だ。重要になってくるのは、何を今やればいいのかを見極めることだ。

 

まずは身近な家の片づけから実践してみよう。

片づけには順序がある。死ぬ瞬間まで生活する以上、最後まで残しておいて、亡くなってから遺族に処分してもらえばいいものもある。

そこで、家族では片づけにくいものから、最低限整理をはじめよう。

まずは日記だ。

「昭和8年から1行日記を書き続けていたおじいさんがいました。何十冊もありましたが、いつか読み返すからと、処分を拒んでいました。

しかし奥さんから『私には捨てられない』と言われてしまった。そこで、保管する4冊と、棺に入れる3冊を選び、あとは処分しました」(葬送・終活ソーシャルワーカーの吉川美津子氏)

思い出がつまった写真も処分したい。といっても、すべて捨ててしまっては後悔しかねない。残すべきものを選んでいくのが重要なのだ。

「家族と写っている写真は、他の家族も持っている可能性が高い。家族が知らない結婚前の若いころの写真などを選び、1冊のフォトブックにまとめておくといいでしょう」(吉川氏)