武蔵小杉の「高級タワマン」で起きた悲劇…その全貌が見えてきた

あの日、何が起きたか
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地価が3割も下落

「仮に台風前に1億円で売っていた部屋が、急に9000万円になるといったことはないでしょう。しかし、これまで1億円で売りに出したら、2ヵ月で売れていた部屋が、半年~1年かかるという感じになる。

売れにくくなる、貸しにくくなるわけです。そうすると、売り急ぐ人は相場よりも低い価格で売りに出すようになるでしょう。そうして下落バイアスがかかってくるのです。

東日本大震災の時に、新浦安と海浜幕張の街で液状化現象が起きました。その直後はマンションなど不動産の価格に影響はありませんでしたが、2~3年かけてズルズルと下がりました。

海浜幕張などは3割以上価格が下落した物件もありました。同様の事態が武蔵小杉でも起きる可能性はあります」(榊氏)

住宅地に向いているとはいい難い場所を、古い下水システムが残ったまま、「人気の街」というイメージをつけて売りに出す。そうして今回のような悲劇を生んでしまった。

程度の差こそあれ、同様の事態は他の地域、他のマンションでも十分起こり得る。前出・佐藤氏が語る。

「武蔵小杉で起きた停電、断水はタワマンだけで起きる問題ではありません。これを教訓として、デベロッパーを始めとして、業界で対策を講じる動きとなるでしょう。

ただ、そこに任せるだけではなく、居住者自身が電気設備や給水設備がどうなっているかなどを事前に把握しておくのも重要だと思います」

武蔵小杉の事例は決して他人事ではない。そう胸に刻みたい。

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「週刊現代」2019年11月2・9日合併号より