結局発行延期、facebook仮想通貨リブラはもともと失敗作だ

アマゾンポイントが新通貨の本命か
大原 浩 プロフィール

アマゾンポイントが本命と見る理由

ジェフ・ベゾスは、若くて人生経験が足りないマーク・ザッカ―バーグよりもはるかに老獪な人間なのか、「通貨なんか私には関係ありませんよ」というような顔をしているが、筆者は「新通貨」の本命は、アマゾンポイントであるとにらんでいる。

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もちろん、今そんなことを言えばフェイスブックのように、各国政府から袋叩きに合うだろうが……。

ポイントについては、前述の「銀行の終焉―近未来マネー論序説」を執筆した時からかなり注目していた。ただ、これまでのポイントは、どうしても「普遍性」に欠けた。

例えば、ヤマダ電機のポイントはヤマダ電機の商品や、提携した企業での支払いにしか使えない。どうしても現金と比べると使い勝手が悪い。

前記の本でも触れたが、世の中には今でも物と物とを交換する「バ―ター取引」というものがある。この取引はクリスマス会のプレゼント交換のように目の前で商品をやり取りするのではなく、商品の販売代金を「バ―ター・ポイント」として受け取り、後日そのポイントを他の商品と交換するのだ。

 

つまり、一般的にイメージされる物々交換では無く「ポイント」が介在する取引なのだが、バーター取引がなかなか普及しないのは、このバーター取引におけるポイントが現金に比べて、かなり普遍性が低いからである。つまり、「バーター・ポイントで買うのはかまわないが、売却代金の受け取りは現金の方がいい」というのが普通だということだ。

しかし、ECならではの膨大な商品やサービス(「僧侶宅配便」まであるらしい……)を提供するアマゾンのポイントは、現金に近い普遍性がある。

しかも「ギフト」として他人に譲渡できる。このような点を考えれば、アマゾンポイントは既に「新通貨」と言っても良いし、「新通貨に近い存在」と言ってもよいであろう。

現在のところアマゾンポイントには有効期限があるが、クレディ・セゾンの永久不滅ポイントのように期限を撤廃すれば、ほぼ間違いなく「新通貨」といえる。

永久不滅ポイントでは、すでにポイントを使った「投資」も可能だ。もちろん、アマゾンポイントでも、やろうと思えばいつでも可能だ。

老獪なべゾス氏は、慎重に物事を運ぶだろうが、政府からの横やりが無い限り「新通貨」の本命はアマゾンポイントといえる。

ナントカ・ペイなどの騒がれている電子マネーや、ビット・コインなどの仮想通貨は、ITバブルの時のナントカ・ドットコム同様消え去っていく運命にあると考えられる。

なお、アマゾンポイントの議論については、前述の有地浩の研究レポート「血気にはやるフェイスブックのリブラと対照的なアマゾン」も参照いただきたい。