「株高」の背景を探っていくと…
以下の図は、業務内に「スマホゲームアプリ」の提供が含まれる34銘柄(時価総額100億円以上)をもとに銘柄バスケットを構築し、株価パフォーマンスの推移を見たものである。
数字はTOPIX相対(超過リターン)だ。
図:ゲーム銘柄バスケットのパフォーマンス
単純平均と時価総額加重平均値で推移を比べると後者の方が良好なことから、相対的に大型の銘柄の方が安定した高いリターンを生み出していることが分かる。
無論、この高パフォーマンスの要因はスマホゲームの需要の高さや、各々でユーザーのニーズをとらえた魅力的なゲームを企画していることに拠るが、ここでは、あえてトップダウンかつ計量分析の観点からゲーム銘柄の高パフォーマンスの要因について探ってみたい。
まず、ゲーム銘柄の定量的な特徴を洗ってみたい。これ以降の分析の数字は、特別な注釈がないかぎりは、上記の34銘柄のバスケットの時価総額加重平均値のTOPIX相対値(TOPIXを1とした場合の高低比)として計算している。
まず、銘柄の割高、割安を表すバリュエーションからだ。
図:ゲーム銘柄のバリュエーション(TOPIX相対)
一言でいえば、ゲーム銘柄はTOPIXに対して大幅に「割高」である。
PER((12ヵ月先予想基準))は波があるが、特にPBR(実績)の割高さが顕著で、TOPIXの水準を3倍近く上回っている。