ガンの手術・薬を「断った人」は、その後どうなるのか

著名人が続々と証言
週刊現代 プロフィール

がんが見つかったのは、いまから11年前。頻尿や排尿困難が続いたため、病院で検査を受けたところ、前立腺がんと診断された。1から5段階まである悪性度のうち、2番目に悪い「4」の状態だった。医師は手術と放射線治療を勧めてきたが、やんわりと断ったという。三壽さんが語る。

「病院の先生からは、前立腺がんは治療をすれば必ず治る、と強く治療を勧められました。確かに調べてみると、前立腺がんは治療で完治するケースが多く、術後の生存率も高いことがわかりました。ただ、私の周りでがんになった人は、治療や手術をして一時的に良くなっても、その後比較的早くに亡くなってしまう人が多かったんです。

それなら、自分が納得のいくがんとの向き合い方を選びたいと思いましてね。先生には『経過を見させてください』と言って、治療を断ったんです」

 

手術、抗がん剤、放射線治療をしないと決めてから三壽さんがやったことはごくシンプル。それまで一日30本吸っていたたばこと、毎日3軒はしごして飲んでいた酒をいっさい止めた。そして、脂っこいものが多かった食事を、玄米を中心とした菜食に変えたという。

「それまでの不摂生ががんの原因だと思ったので、治療しないなら、せめて生活習慣は変えないといけないな、と。仮に手術を受けて良くなっていたら、それに安心して、生活習慣を変えることはなかったでしょうね。

結局、がんが再発するだろうなと思ったんです。だったら、手術を受けないかわりに徹底的に生活習慣を変えよう、と思いまして。

科学的な根拠があるかと言われれば困りますし、誰にでもお勧めできるわけではありませんが、少なくとも私にはそれが合っていた。そんなこんなで、なんとか11年生きることができました」

幸せをかみしめる日々

いまも数値を確認するために病院に検査を受けに行っているが、前立腺がんは他のがんと比べて進行が遅いこともあってか、特段異常があると言われたことはなく、医師も三壽さんの選択を尊重してくれているという。

「一門に、すい臓がんになった弟弟子がいるんですが、彼は手術を受けることを選びました。すい臓がんは3年以内に亡くなることが多いのですが、彼は3年以上生きています。適切な治療を受ければ、やっぱり効果があるのでしょうね。

ただ、自分がもし前立腺の治療を受けたとして、ここまで生きられたかどうかは誰にもわからない。すい臓がんを切って3年以上生きる人もいるんだから、前立腺の治療を受けてもすぐに亡くなってしまう人だっているでしょう。

大事なのは、いまが幸せかどうかではないかと思っています。私の場合、いまも高座に上がって落語ができる。その幸せをかみしめる日々を送っているので、自分の選択は、間違いじゃあなかったんでしょう」