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これが日本の伏魔殿…マンション「パレ・ロワイヤル永田町」をご存知か

この国の裏側、ぜんぶ見てきた

わずか57室しかないこのマンションで、日本の政治が動かされていた時期があった。住民の変遷を辿っていくと、知られざる政治の舞台裏があらわになった。しかもこの場所、いまも「健在」なのだ。

権力の三角地帯

国会議事堂から徒歩2分、首相官邸からでも4分足らずという都心の一等地に、「永田町の伏魔殿」と呼ばれたマンションがある。

「パレ・ロワイヤル永田町」、通称「パレ」。

 

レンガ色の外壁とクリーム色の宮殿風の門扉が目を引く高級マンションだ。現在でも1部屋1億円以上する物件だが、バブル期の1990年の取引価格は、2~3LDKタイプで12億~16億円という「スーパー億ション」だった。玄関を入って左側には受付があり、執事のような雰囲気の制服姿の男女が人の出入りをチェックしている。

Google mapより

部屋数は57室。一時はその4分の1近くを政治家の事務所が占めたことから、「政治家御用達」マンションと評された。

「自民党の金丸信元副総裁や渡辺美智雄元副総理ら、政界の大物が事務所を構えていました。また、隣りの十全ビルに小沢一郎氏、道路を挟んで対面の永田町TBRビルには竹下登氏や加藤紘一氏らの事務所があった。この3つの建物によるトライアングルは『権力の三角地帯』と呼ばれていたのです」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

かつて、権力の中心は田中角栄や中曽根康弘が事務所を置く平河町の砂防会館にあった。'85年に角栄が脳梗塞で倒れると、権力の中心は、新たなキングメーカーになった金丸や小沢らがいる三角地帯に移動する。'93年、金丸が逮捕されるまで、その状況は続いた。