ボタニカルブームが酒業界にまで…「クラフトジン」の快進撃

地方が熱狂している
一志 治夫 プロフィール

選択肢の広がりを歓迎する

――日本各地でクラフトジンがつくられることで、地域は変わっていきますか。

山本:たとえば、それまで大手飲料メーカーの提案するものだけを売っていた酒屋さんが、地元の自分たちだけしか持てない日本のクラフトスピリッツを扱い、売ることができるようになる。地域性あふれるクラフトスピリッツがあれば、地元の酒屋さんや小さな問屋さんが潤う。それはつまり、そのボタニカルをつくっている地元の農家の方も潤うわけです。そして、地元の飲み屋では、一杯目にその地元の農産物の使われたジントニックが飲まれたりするようになる。クラフトのちっちゃい力ですが、そうやって、各地域ごとのクラフトジンに反映していくことで、少しずついろんなことが動いていくと思うんです。

「橘花ジン」は、500ml 5500円。年間約1万本を生産
 

――クラフトジンのこれからの可能性を感じます。

山本:ジンというのは、世界的なワードじゃないですか。サケというのは、これから頑張って世界的なワードになっていこうとしてはいますが、まだ時間がかかります。焼酎だって、世界で知っている人はまずいない。ジンだったら、ロンドンで100人いれば90人は飲んだことがあるという飲み物です。わかりやすい、入りやすいということで、世界的な広がりも期待できるわけです。

実はいま、こうやってすぐにジンがつくれたのも、20年前に父親がスピリッツをつくっていた時代があったからなんです。ズブロッカのようなスピリッツを。それでスピリッツ製造免許があったんです。たぶん、父もいろいろ模索していて、ちょうど同じ頃、「風の森」で無濾過生酒の醸造というのも始めたんです。それが20年たっていまの「風の森」につながった。同じように20年経った頃に、この「橘花ジン」と「風の森」が支え合うような存在になっていたらいいなと思っているんです。

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