刊行を記念して、両書の編・著者である板橋繁コーチに特別インタビューを敢行。
第1回のテーマは、世界のゴルフ界を牽引するトッププロのスイング解析。シブコこと渋野日向子選手からブルックス・ケプカ選手、そして復活のタイガー・ウッズ選手まで、最先端のスイング理論で徹底解説!
(取材・文/ 水品壽孝)
【お知らせ】
『見るだけでスコアが上がる 科学的ゴルフ上達法 ビジュアル版』の刊行を記念して、板橋繁さんも特別参加する「ABCゴルフ倶楽部名物 ツアーNO.1 高速グリーン体験イベント」に5名の愛読者様をご招待いたします。
※好評につき受付終了しました。ご応募ありがとうございます!
「超シャロー」&「まーるく」振るのが世界標準
いま、世界のゴルフ界で主流になっているのは、超シャローでまーるく振るゴルフスイングだ。

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ダウンブローにボールをとらえ、体の正面で腕を返してボールをつかまえていたのは、ひと昔前の話。クラブとボールの性能が向上した現在は、ボールに対するクラブヘッドの入射角が非常に浅く、腕を使ってフェースを返さずに体の回転でクラブを振っていくスイングが世界標準になっている。
そして、その世界標準のスイングをマスターするためのメソッドが、板橋繁コーチの考案した「G1メソッド」にほかならない。
もちろん、世界で活躍しているトッププレーヤーたちのスイングにも、「G1メソッド」のエッセンスがふんだんに詰まっている。そこで今回は、板橋コーチとG1公認プロコーチである原田琢也コーチの2人に、『G1メソッド』の視点からトッププロたちのスイングを解説してもらった。
原田コーチは、オーストラリアにゴルフ留学後、中京大学大学院でスポーツバイオメカニクスを専攻。現在は日本国内のゴールドワンゴルフスクールで「G1メソッド」によるレッスンをおこなっている。
それではさっそく、「G1メソッド」の生みの親である板橋コーチとゴルフスイングのメカニズムに精通した原田コーチに、トッププロたちの強さの秘密を解き明かしてもらおう。
ケプカの「飛んで曲がらない」ドライバーショットの秘密
まずは、現在世界ランキングトップのブルックス・ケプカ選手から。

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2017年、18年は全米オープン、18年、19年には全米プロゴルフ選手権をそれぞれ連覇。PGAツアー7勝のうち、メジャーが4勝と、めっぽうメジャーに強いことで知られている。
そのケプカ選手の最大の武器は、「飛んで曲がらない」ドライバーだ。
昨シーズンのドライバーの平均飛距離は309ヤードで10位、フェアウェイキープ率を考慮したトータルドライブでも12位にランクされている。
ケプカ選手は、身長182㎝、体重84㎏と、決して飛び抜けて体格が大きいわけではない。PGAツアーでは平均的な体格といえよう。そのケプカ選手はなぜ、「飛んで曲がらない」ドライバーショットを打てるのか?
板橋コーチは、ケプカ選手の右肩の動きに、その秘密が隠されていると指摘する。
「ケプカ選手の右肩の動きに注目してください。右肩を止めることなく、フィニッシュまでしっかりと動かしつづけていることがわかるはずです。
この動きによって、ハンドファーストを保ったまま背中側にクラブヘッドがある状態をキープして、深いタメと大きなフォローを実現しています。フォロー側でクラブヘッドを加速させて、ボールを飛ばしているのです。
日本では、いまだに右肩を止めてヘッドを振り出すスイングが主流になっていますが、これは手を使ってクラブヘッドを走らせる動き、すなわち、『手打ち』です。手打ちをしていたのでは、コンスタントに大きな飛距離を出すことはできません」(板橋氏)