10月27日 サターンロケット初打ち上げ(1961年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

この日、アポロ計画の有人飛行のため、アメリカ航空宇宙局 (NASA) が開発・運用したサターンロケットが初めて打ち上げられました。

  サターンロケット、初期のI型。ミッション名「アポロSA-1」による1961年の初発射の様子

サターンロケットは、ロケット工学研究者であるヴェルナー・フォン・ブラウン(Wernher Magnus Maximilian Freiherr von Braun、1912-1977)が中心となって開発されました。

【写真】フォン・ブラウン
  ヴェルナー・フォン・ブラウン photo by gettyimages

ドイツ人のフォン・ブラウンは、青年時代より宇宙旅行やロケット工学に興味がありました。ナチス政権下で陸軍兵器局で軍用ロケットの開発に携わっていましたが、軍事にはそれほど熱心ではありませんでした。

そのため、「国家の危機に際して、宇宙旅行の話をやめない」という、今から思うとなんとも子供じみた理由で、ゲシュタポに逮捕されたこともありました(後に釈放)。終戦間際に、部下の研究員たちとアメリカに投降。その後、亡命を果たして、渡米後は米陸軍、NASAにおいてロケット開発に打ち込みました。

サターンロケットは、初期型のI型からV型まで次のような種類があります。

サターンシリーズ

サターンI
既存のエンジンの改良版を8基束ねた(クラスター式)ロケット
サターンIB
サターンI型の第2段のエンジンを水素燃料型のJ-2とする
サターンV
3段式の大型ロケット。J-2エンジンに加えて、当時最大の大きさと出力を誇ったF-1エンジンを搭載。初の有人月周回飛行を行ったアポロ8号や史上初の月面着陸を行ったアポロ11号を搭載した
サターンII
サターンVの1段目ロケットを取り除いた派生機種。
【写真】サターンVで採用されたF-1エンジン燃焼室サターンVで採用されたF-1エンジン燃焼室

このうち、サターンV型は、合わせて12人もの宇宙飛行士を月に送り込んだ、アポロ計画の中心を担った機体でした。実用的なロケットとしては最大のもので、サターンVのために専用の発射台と組み立て施設が作られました。

15機が製造され、13機が打ち上げられた段階でアポロ計画は終了。1機は宇宙ステーション・スカイラブの地球周回軌道に載せるために流用され、2機は保存展示機となりました。

有人飛行を可能にした超大型ロケットに発展したサターンロケットは、フォン・ブラウンが青年時代に抱いた宇宙旅行の夢の結晶であり、物量的にも技術的にも最高潮に達したころのアメリカの象徴とも言えるでしょう。

【写真】最後の月面着陸ミッションで発射されるサターンV型
  最後の月面着陸を行ったアポロ17(ミッション名SA-512)で発射されるサターンV型 photo by gettyimages