猫屋敷からのスタート
山本さんは以前、ピアニストやバンドなどを派遣する会社を経営していた。1991年、マンションから目白の一軒家に転居した山本さんは、たまたま通りがかった近所のブリーダーの店先で小型犬のポメラニアンに一目惚れ。続いて、「猫をもらってください」という張り紙を見て、兄弟猫を引き取った。さらに、ワクチン注射をしてもらいに行った動物病院で、保護された全盲の猫も引き取ることになる。
実はこの保護猫は、地域の猫に不妊手術をさせていたボランティアの方が保護した猫だった。山本さんは、ボランティアの人たちと知己を得て、次第に保護活動に参加するようになる。

そしてたまたま、山本さんは3階建ての家を建築。すると、保護活動の仲間たちが「あなた、家があるんだから猫の保護できるでしょう」と次々に猫を連れてきたのだ。
「猫はもちろん、色々な動物を保護しているうちに、あっという間に、猫、犬、たぬき、アライグマとなんだかんだで30匹になっていました。猫屋敷というか獣屋敷ですね(笑)」
山本さんは、動物に囲まれて暮らしながら「さすがにこのままでは先がないな」と思い始めていた。そこで、猫の保護団体について調べるようになる。調べるほどに、保護猫についての活動は資産家や財産家でないと続けられないと理解していったのだ。