助けてもらう力

第二子妊娠中の伊是名さん母子 写真提供/伊是名夏子

後日、第一子を出産した大学病院で最初に伊是名さんを担当した産婦人科医の塩田敦子さん(香川県立保健医療大学教授)にお話をうかがうことができた。

伊是名さんが調べていなかった出生前診断についてお聞きすると、骨形成不全症の出生前診断はケースによるという。
「形の上で目立つ変化があれば、超音波検査で『その可能性が高い』とわかるようになってきています。ただ、一般的に言って正確な検査はまだ難しい段階です」

塩田さんにとって、伊是名さんは後にも先にもただひとりの骨形成不全症の妊婦さんだった。やはり、この病気の女性の出産例はとても少なく、文献にあたっても国内での報告はわずかしかないそうだ。そんな貴重な女性との出会いを振り返って、塩田さんはこう言った。

「伊是名さんは、いつも上手に人に助けてもらいながら生活されている様子が印象的でした。助けてもらうということは、難しいことだと思います。ご自身に、自尊心や人を信頼する心がなければできません

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私は、伊是名さんが書いてくれた子ども時代の事を思い出して、やはり、伊是名さんが育ったような家族環境が急激に減っていることは、不安な妊婦さんが増えていることとつながっているのだろうと思った。
「そして今の妊婦さんは『助けて』ということが苦手な人が多いのです。障害をもちながら出産する方には、きっと、何か役割がおありなのでしょうね」

第二子妊娠中の伊是名さんファミリー。常にあるのは「笑顔」! 写真提供/伊是名夏子

伊是名さんの著書『ママは身長100cm』。伊是名さんがこうして生き生きと暮らしている、その根本的な理由が明確にわかる。