出産ジャーナリストの河合蘭さんによるFRaU Web連載「出生前診断と母たち」。現代の妊娠は、さまざまな事情から、親が、妊娠継続について重い決断をする場面も増えた。大切なのは、親が自分たちで考え、そして自分たちで決断することではないだろうか。

今回は『ママは身長100cm』(ディスカバー・トゥエンティワン)の著書が話題となったコラムニストの伊是名夏子さんに聞いた自身の出産の時の話と、2分の1の確率で遺伝すると言われる難病の伊是名さんが考える出生前診断についてお伝えする。

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身長100㎝、体重20kgの母

自宅でおもてなしをしてくれた伊是名さん 撮影/河合蘭

骨形成不全症という先天性疾患を持つコラムニスト・伊是名夏子さん(37歳)が自身の生い立ち、恋愛、出産と育児を綴った『ママは身長100cm』を読んだ。骨形成不全症とは、骨の発生や成長が上手くいかないために骨の形や構造に問題が起きる病気で、厚労省の指定する難病のひとつだ。

現代では多くの女性が「もし妊娠して胎児に先天性の疾患があったら、どうしよう」という不安を感じているが、伊是名さんの場合は、通常のリスクに加え、自分の骨形成不全症が2分の1というとても高い確率で子どもに遺伝することがわかっていた。

伊是名さんは身長がわずか100cm、体重は20kgととても小さいため、妊娠すると、正期産の時期まで妊娠が継続できない可能性も高かった。そうなると、子どもには、早産をしたことによる障害が残る心配も起きてくる。伊是名さん自身にとっても、妊娠は、子どものように小さな身体の中で子宮がどんどん大きくなっていくのだから「肺が圧迫されて息が苦しくなる」「あばら骨が押されて骨折する」など特別な心配がたくさんあった。

しかし、伊是名さんには、小さいころから「とても楽しそう」と思ってきた子育てをあきらめるという選択肢はどこにもなかった。子どもの障害についても、葛藤も迷いもなく、ただ、その準備だけをしていたという。そう思えた理由は何なのだろうか。