有酸素運動と空腹がミトコンドリアを増やす

「ミトコンドリアはステロイドやヘムの合成などの代謝、カルシウムや鉄の細胞内の濃度の調節にも関わっています。あらゆる病気はエネルギーを作っているミトコンドリアの不足が影響してきます。関節リウマチにも当てはまります。異常タンパク、つまり炎症性サイトカインを生み出す病気ですから。

誰の身体にも生まれながらに自然治癒力が備わっていますが、力を発揮させて不調を治すためにはエネルギーが必要です。エネルギーを作るミトコンドリアが十分にあれば、病気になっても回復して元気になれます。そのためには運動でエネルギーを消費すること、食事の摂取カロリーを抑えることがポイントです。

断食をすれば身体はエネルギーが足りないと感じて、『大変だ。大変だ』とミトコンドリアは増えていきます。刺激を与え、増やすために断食は有効なのです。しかも伊豆高原にあるサナトリウムは大室山や一碧湖を散歩して、有酸素運動に適したいい環境です。食事をしないと身体が冷えます。それを温泉で温めるのもいい。サナトリウムの先生ご夫婦は毎週、月曜日だけニンジンりんごジュースと生姜湯だけで、プチ断食をしています」

綺麗な空気の中での有酸素運動、適度な断食、温泉で身体を温める。それらすべてがミトコンドリアを活性化させるのだという Photo by Getty Images

十分な栄養を与えるとミトコンドリアが元気になるのかと思いきや、断食だという。

運動することで身体に刺激を与えれば、ミトコンドリアは活性化します。筋肉はたくさんのミトコンドリアを持っていて、糖分だけでなく脂肪を材料にしてエネルギーを作ります。しかも持続的に。散歩などの有酸素運動を続けるのが有効な理由です。ダイエットに有酸素運動がいいのはこのためです」

運動が大事、筋肉を落とさないようになどとわかったようなことを言っていたが納得した。健康についても、病気についても細胞レベルで全身を見なくては誤った判断をしてしまうと思った。散歩は誰でも、どこででもできるので、習慣にしたい。

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「年をとるとミトコンドリアの力が弱くなります。だから疲れやすい。ミトコンドリアは19~39歳は100%ですが、1年ずつ減っていき、60代で38%減り、84、85歳では46%もエネルギーを作り出す力が低くなっています。ということは活性酸素を作りやすくなり、動きが遅くなり、疲れやすくなります。活性酸素が増えるので病気を発症しやすくなります」

どんなに健康な人でも、残念ながら年齢を重ねるごとにミトコンドリアは減少していく。できるだけ活発に働くように日常生活に気をつけたい。

「細胞の中でミトコンドリアは生まれ、成熟して死んでいきます。若いものから老いたものまでが混在して、いつも世代交代が行われるのが理想です。空腹になると活性化するので、満腹まで食べると堕落します。『腹八分に医者いらず』と言うように、7~8割ぐらい食べるのがちょうどいい。そして1日のうち12時間は何も食べず、空腹を感じる時間を作るとミトコンドリアが活発になり、数を増やします。だから断食が有効なのです。ストレスの少ない生活も大切です」

Iさんの説明を聞くと、身体は何とか自力で回復しようと頑張っている。けなげで強い。秀でた能力を備えているのに無茶苦茶な生活をしたのが申し訳なかったと反省した。

私は東洋医学の治療とともに、体質改善へ大きく舵を切った。

次回は11月8日公開予定です

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