「断食に行きました」「ファスティングしました」……ダイエットでもないのに断食をしている話もよく聞く。では断食に一体どんな効果があるのだろうか。

24歳のときに難病リウマチを発症したフリー編集者の小西恵美子さんは、母がリウマチで苦しんでいたのを間近にみていたため、当初は治るはずもなく、太く短く生きるしかないと思っていた。大好きな仕事をするために徹夜をいとわず、痛み止めを服用し、薬漬けになって仕事にまい進。しかし、増え続け変わり続ける薬にも疑問を抱くようになった。

発症してから30年経ったいま、実は一番体調がよく、薬を飲まずして生活をしている。そこに至ったのは、「自分の身体の力」を生かすにはどうしたらいいかという思いだった。東洋医学も多くを試し、治療の意味を理解しながら自分で選択していったのだ。もちろん多くの治療には個人差があるが、本連載は小西さんの個人的体験を参考としてお伝えしていく。

今回は自然治癒力を高めるための「細胞単位の気づき」についてお伝えする。リウマチ治療で出会った方から学んだ、「なぜ断食が自然治癒力を高めるのか」の理由とは。

小西さんの今までの連載はこちら

Photo by iStock

断食の意味

体質改善のためにニンジンりんごジュースを飲む断食に行った体験談を、胃がんを患っている知人に話すと、「断食ってダイエットをしたい人が行くんじゃないの? この前はタンパク質を摂るのが大切だと言っていたけれど、食べなくていいの? 栄養を摂らないと身体はうまく機能しないのに、断食していたら栄養が足りなくなるでしょう。なぜ、断食が効果あるの?」と訊かれた。

私は健康に近づくためには、免疫力をあげるとか、自然治癒力が大切だと言っていたが、説明できない。つまりわかっていなかった。お兄さんが、がんを患ったことから分子整合栄養医学(分子レベルで生態系を見て、不足した栄養を補い病態を正常に戻す)を学び、チームリーダーのIさんに質問した。

それはミトコンドリアに関係します。ミトコンドリアは糖分や脂肪を原料として、酸素を使ってエネルギーを作ります。発電所の役割をしています」

ミトコンドリアは理科の植物の実験で見たワラジのようなもの。植物にも動物にもあり、酸素を使って生命活動に必要なエネルギーを作る。動物はそのエネルギーで食べたものを消化したり、運動したりできる。生きて行くためには不可欠だ。

ミトコンドリアってたしかに顕微鏡で見たりしたような気はするが、体内のミトコンドリアを意識したことがある人はどれだけいるのだろう Photo by iStock

「ミトコンドリアは活性酸素の除去や免疫反応にも欠かせない働きをしています。ミトコンドリアがエネルギーを作り、そのエネルギーで血液を作り、血液が酸素と栄養を運び、老廃物をつれてきます。臓器は絶え間なく働き、必要なものといらないものを分けていく。機能するのに必要な血液の消費量は心臓5%、脳15%、腎臓20%、腸30%。ミトコンドリアは細胞の約40%を占め、1つの細胞の中に300~400個のミトコンドリアがあり、体重の10%と言われています

血液を最も多く使う腸には悪玉菌、善玉菌、日和見菌があり、日和見菌は悪玉にも善玉にも成り得る。日和見菌が悪玉菌になれば、臓器の機能は低下する。ということは、腸が活発に働けば、日和見菌は善玉菌になる。腸内環境をよくすることが健康につながると言われる理由だ。それにはミトコンドリアが必要となる。