11月 1日 灯台記念日

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

 1868年のこの日に神奈川県横須賀市にある観音埼灯台の工事が開始されたことを記念して、1949年に海上保安庁が「灯台記念日」を制定しました。2018年には、1868年から150周年を迎え、さまざまなイベントも催されました。

観音埼灯台は、開国により東京湾内へ航行する船の急増に対して潮流の激しい浦賀水道の夜間航行の安全のため、旧江戸幕府と米英仏蘭による1866年旧暦5月の取り決めにより、日本初の洋式灯台として建設されました。

起工から1年後の1869年2月11日(明治2年1月1日)に完成、初点灯を行いました。横須賀製鉄所で作られたレンガを使用した四角い洋館建てで、設計はフランソワ・レオンス・ヴェルニー(François Léonce Verny 、1837-1908)をはじめとした、フランス人技師が担当しました。

屋上に設けられた灯塔はフランス風白色八角形の煉瓦造灯台で、地上から灯火までの高さは 12.12m、フランス製の第3等フレネル式レンズ、3重心灯器を使用し、実効光度 1,750cd(カンデラ)、光達距離は14海里(約26km)でした。

【写真】観音崎灯台
  観音埼灯台、初代(左)と現在の三代目(photo by JAPAN COAST GUARD:https://www.kaiho.mlit.go.jp/)

しかし、1922年の神奈川県東部地震によって亀裂が入ってしまったため、コンクリート製の二代目に建て替えられ、このころより光源の燃料が石油や菜種油から電灯に代わりました。

ところが完成半年後の1923年9月に関東大震災によって再び被害を受け、現在は1925年に完成したコンクリート製の三代目が運用されています。1989年には遠隔監視に切り替えられて、無人化されました。

観音埼灯台は、光を遠くまで届けることのできる「フレネルレンズ」を使った初めての灯台でもあります。

フランスのオーギュスタン・ジャン・フレネル(Augustin Jean Fresnel、1788-1827)によって発明されたこのレンズは、同心円状の領域に分割し厚みを減らしたレンズで、断面がのこぎり状になっています。

灯台のレンズは、焦点距離によって1~6等の等級に分けられています。1873年には、三重県の安乗埼(あのりさき)灯台で回転式も登場しました。現在では、カメラなどの精密機器にもフレネルレンズが使用されています。

  実際に灯台で使用されていたフレネルレンズ(photo by JAPAN COAST GUARD:https://www.kaiho.mlit.go.jp/)
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