強豪UAEを撃破
“西野マジック”がタイでさく裂している。
昨夏のロシアワールドカップで日本をベスト16に導いた西野朗監督がタイ代表監督に就任して3ヵ月。10月15日にホームで行なわれたカタールワールドカップアジア2次予選、UAE戦ではチャナティップ(コンサドーレ札幌)、ティティパン(大分トリニータ)をケガで欠く中、2-1で勝利する金星を挙げ、グループGの首位に立った。指揮官の志向する攻撃的なスタイルも少しずつ浸透していると言っていい。

FIFAランキングで見ていくと114位のタイはグループGの中でUAE(66位)、ベトナム(99位)に続く3番手(タイより下にマレーシア、インドネシア)。ランク上位2チームとの対戦もこなしたうえで2勝1分けと、まずまずの滑り出しだ。タイのサポーターも西野監督に大きな期待を寄せていることだろう。
現在64歳の西野監督は、言うまでもなく日本が誇る名将である。
1996年のアトランタオリンピックではU-23日本代表を率いて同ブラジル代表を撃破する“マイアミの奇跡”を起こし、Jリーグでは柏レイソル、ガンバ大阪、ヴィッセル神戸、名古屋グランパスで指揮を執って数々のタイトルを獲得してきた。Jリーグ通算270勝は歴代1位。ロシアワールドカップ直前で代表監督に就任し、大会後は森保一監督にバトンタッチをした。
西野監督の魅力。そのひとつに、「見守る力」がある。