「朝ドラで認知された」と言われるのはなんだか悔しい

「でも、すごく出たい作品があって、オーディションを受けて落ちた時に、その理由を、『知名度が低い』とか、『人気面でちょっと弱い』とかって説明されたことがあって……。『そうか、熱量では負けないつもりでも、それだけじゃダメなんだ』って思って……、それは悔しかったです」

役を演じる上では、自分なりのアプローチ法がある。自分なりに、作品に溶け込めた時は、快感もある。でも、“人気者になる”ためのアプローチ法については、皆目見当がつかない。今年は、連続テレビ小説「なつぞら」の小畑雪次郎役や、公開中の映画『HiGH&LOW THE WORST』の村山良樹役などヒット作の当たり役にも恵まれたが、「『なつぞら』に出演できたことは嬉しかったですし、いろんな刺激も受けましたけど、『朝ドラに出て認知された』と言われるのは、正直、なんか悔しいです」とこぼす。

「ひねくれ者なのかもしれないですが、僕は、一つ一つの役を、どれも同じ熱量で取り組んでいるつもりなので、何か一つの作品を取り上げて、『出世作』みたいに言われてしまうことに抵抗があるのかもしれません

インタビューの最中、“悔しい”という言葉を何度か口にした。自分のことや作品のことを問われて、それに答える時も“真剣勝負”という感じだ。かといって堅苦しいわけではなく、会話のキャッチボールを楽しみながら、“なぜ自分はここにいるのか”という、その答えを出そうとしているように見える。
 
俳優を目指すようになったのは、高校生の時だ。プロ野球選手だった父(※現在広島東洋カープの内野守備コーチを務める山田和利さん)の影響もあって、小学校から中学校3年生までずっと野球をやっていた。

「一応、自分で『やりたい』と言って始めたんですが、いざやってみたら、体を動かすことよりも、考えることの方が断然好きだとわかってきた(笑)。小学生の頃は、野球の練習を終えて家に帰ると、天体と恐竜のことで、すぐ頭がいっぱいになっていました。“宇宙の仕組みはどうなっているんだろう?”とか、“宇宙人が目の前に現れたらどうしよう?”とか、そんなことを想像するだけで胸がドキドキしたんです」

プラネタリウムが大好きで、夜になると星空をずっと眺めていた少年は、思春期を迎えた頃には、“魂”や“宿命”といった精神世界に思いを馳せるようになる。

人間の霊魂みたいなことに関心を持つようになったんです。宇宙のような体の外側で人間を取り巻くものから、体の内側にあるものへと興味が移行した。でも実は自分が外界だと思っているものと内側は繋がっているんじゃないか、とか。そんなことも考え出したらキリがなくて……。でも誰にも理解されないってわかっていたから、口には出しませんでした。クラスでの僕の立場ですか? ずっといじられキャラでしたね。クラスメイトからは、ぼーっとした奴だと思われていたんじゃないかな(笑)」