天皇賞・秋直前!ルメール騎手と国枝栄調教師がレース前に話すこと

アーモンドアイを巡る知られざる関係
C.ルメール
 

アーモンドアイ「強さ」の理由

はじめて乗った時は驚いた。柔らかさ、瞬発力、どれを取っても将来が楽しみだ、とすぐに感じた。もちろんその時点で、牝馬三冠とかドバイターフ制覇の可能性とかわかるはずもなかったが、相当強くなる素質は秘めていた。国枝調教師はここでも何も語らなかったけど、彼の顔は自信に満ちていた。

デビュー戦でこそ、1400mという距離で前に行った(減量騎手の)野中悠太郎騎手に負けてしまったけど、ラスト300mは凄い脚を使い、飛びは驚くほど柔らかかった。

アーモンドアイが素晴らしいのは、まずその身体能力、柔らかさ、そして自らレースを意識する頭の良さと集中力の高さ。最後の直線で前脚が伸び、蹄で馬場をつかみにいくイメージ。サインを入れなくても、自ら手前を変える。それも3完歩、凄い時には2完歩で左右のフライングチェンジをする。まるで馬場馬術の馬のように。それでも馬の背中が揺れたり、馬体の軸がブレたりすることはない。

だから僕は、馬上では彼女の走りを邪魔しないように、騎乗姿勢がブレないように彼女と一体になることを心がけている。

唯一の不満は……

ドバイターフも自信はあった。(当初出走が予想されていた2410mのドバイシーマクラシックではなく)距離が1800mと短くなり、賞金は360万ドル(約3億9600万円)と高額。100mで20万ドル(2200万円)の計算になるから、効率がよくなったことを、国枝調教師は「ショートディスタンス、ビッグマネーだ」と言って取材陣を笑わせていた。

狙った通りに勝てたから、国枝調教師と二人で喜んだ。彼とはいつもそうやってハッピーになれる。

国枝調教師とルメール騎手(photo by gettyimages)

アーモンドアイとなら凱旋門賞に行っても自信があった。そのポテンシャルは十分にあって、日本の競馬関係者もファンもみんな出走を望んでいたこともわかっていた。アーモンドアイにはその可能性は十分にあったけど、仕方がない。馬にとってのリスクを回避するのは国枝調教師と同じ意見だ。彼とは哲学が一緒だから。

ただ、国枝調教師に言っておきたいことといえば……プライベートでよくゴルフをするんだけど、僕より上手いなんて納得がいかない。マジで(笑)。次のゴルフでは負けませんよ(笑)