2019.10.24
# 鉄道 # JR # MaaS

JRも自動運転を採用、「運転士が消える日」は来るのか

無人化は実現するか、それとも…
杉山 淳一 プロフィール

自動運転の歴史は100年前に遡る

鉄道車両の自動運転は、これまで鉄道が積み重ねてきた安全施策が背景にある。最初の自動操作装置はATS(Automatic Train Stop、自動列車停止装置)。運転士が赤信号を見落としたときに、強制的に急ブレーキをかける仕組みだ。

ATSの試験開始はなんと1921(大正10)年、ざっと100年前だ。初の実用化路線は地下鉄銀座線(当時は東京地下鉄道)で、1927(昭和2)年の開業時から設置された。

 

かなり原始な仕組みで、赤信号になると線路の間に寝かせていた杭が立ち上がり、車両の下に取り付けて非常ブレーキレバーを倒す。この装置は原始的だけど確実で、かなり長い間使われた。筆者が銀座線で通学していた1983年頃、立ち上がる杭を見て不思議に思った。この「打ち子式」は1993年頃まで使われたという。

ATSは進化し続け、作動方式は打ち子から、レール間に発信器を設置する方式、レールに信号電流を流す方式などに変わった。また、急ブレーキだけではなく、急カーブなどで適切な速度に減速する仕組みもある。ATSは基礎的な安全装置であり、ほぼ全国の鉄道路線で採用された。

ATSを発展させた装置としてATC(Automatic Train Control、自動列車制御装置)がある。初採用は1964(昭和39)年に開業した東海道新幹線だ。

ATSは赤信号や速度制限を見落としたときに発動する。しかし、時速200kmを超える新幹線は、運転士が赤信号を見たところでブレーキをかけてもすぐには停まらない。また、地上の速度制限標識を読み取れない。そこでATCはレールの信号電流から列車の間隔を検知して、最適な速度を運転台のスピードメーターに指し示す。その速度を超えた場合は自動的にブレーキを使って速度を落とす。

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