NHK vs. 日本郵政「圧力騒動」と「次期NHK会長人事」の不穏な噂

国民が注視すべき「NHKの異変」

今回の「圧力騒動」がもたらすもの

もっとも、戦後にできたこの制度は長らく悠長に運営され、経営委員は老いた大学教授が就く名誉職のようなもので、経営に口を出すことはほとんどなかったそうだ。会長についても、NHK局内から出世した人物が推薦されても、経営委員会がNOと言うことはあまりなかった。

ところが2000年代半ばにNHKで不祥事が続いたとき、初めて「モノ言う経営委員長」が現れた。富士フィルム会長だった古森重隆氏だ。在任期間は短かったが、執行部が作成した5ヵ年計画に対し再提案を要請するなど強い監督権を発動した。

この時の首相が第一次内閣の安倍晋三氏で、総務大臣は現官房長官の菅義偉氏だった。この時に安倍・菅コンビは放送法を通じてNHKに影響力を持てることを確認したのだ、との説を唱える人もいる。

 

何しろ、経営委員会は両議院の同意を得て首相が任命するのだ。衆参で与党が多数を占める今のような安定政権のもとでは、自分たちの息のかかった人物を経営委員会に送り込むなど容易だ。その経営委員会が会長を任命し、執行部の監督責任を持つ。NHKは構造上、政権の強い影響力を受けざるを得ないのだ。

話を戻すと、毎日新聞がスクープし「クロ現」チームが反論した日本郵政の圧力騒動は、結果として何をもたらすのだろう。

日本郵政に言われて現場に厳重注意をしたNHK経営委員会が問題なのは当然としても、上田会長も株を大きく下げたと言っていい。

毎日新聞によれば「11月6日、番組幹部の発言について『明らかに説明が不十分。誠に遺憾』と事実上謝罪する文書を郵政側へ届けさせた」のだそうだ。言論機関の業務執行責任者として、いかがなものか。暴言を連発した日本郵政の鈴木副社長も世間の批判にさらされているが、別の視点では上田会長も“情けないやつ”扱いをされかねない。