NHK vs. 日本郵政「圧力騒動」と「次期NHK会長人事」の不穏な噂

国民が注視すべき「NHKの異変」

NHKの組織構造

一方で「クロ現」チームの反論も物足りなく思える。 “去年10月23日に、経営委員会が会長に行った厳重注意が、放送の自主・自律や番組編集の自由に影響を与えた事実はありません“と主張しているが、会長や経営委員会についてはいいとも悪いとも書いていない。

さらに毎日新聞の記事には、11月6日に「説明が不十分だった」と謝罪する文書を上田会長が日本郵政に送ったとあるが、「クロ現」による反論では、そこにはまったく触れていない。あくまで現場の見解であり、上層部のことなど知ったことではない、ということのようだ。

会長や経営委員会に誰がどう圧力をかけようと、現場の我々が屈することはない!という決意の主張と受け止めると、NHKの現場の頼もしさに快哉を叫びたくなる文書だ。一義的には「よく言った」と応援したくなる。

 

だが一方で、NHK上層部への疑問が国民の間に広がっている今、これだけの対応でいいの?という疑問も浮かんでくる。NHKという巨大組織の対外的な説明として、「会長や経営委員会の事情は、現場は知らねえっす」で通るのだろうか?

さてここで、NHKの会長と経営委員会についておさらいしておこう。NHKのWEBサイトには経営情報のページがあり、会長と経営委員会について簡易に説明している。

それによると経営委員会は「役員の職務の執行を監督する機関」であり、「委員は、国民の代表である衆・参両議院の同意を得て、内閣総理大臣により任命される」とある。「会長の任免も行う」ともあるので、かなり強い権限を持つ。一般企業の取締役会とほぼ同じような存在なのだ。

NHKのWEBサイト「経営委員会」より

日本では「社員が出世したら取締役になれる」と捉えられがちだが、一般企業の取締役会は、本来は株主に託された強い権限を持つ会議体で、社長以下業務執行者の監督責任を持つ。NHKの場合、経営委員は外部からやってくるので、本来の意味での取締役会のような監督機能が強い。会長より立場が上なのだ。

衆参両院の同意で首相が任命するのが経営委員で、経営委員会が会長を任免するということは、その仕組みを利用すれば政権はNHKをコントロールできてしまう。これが実は、NHK最大の問題点だ。公共放送であり、受信料を払う国民に寄与するはずが、下手をすると政権のためのメディアに堕しかねない。