NHK vs. 日本郵政「圧力騒動」と「次期NHK会長人事」の不穏な噂

国民が注視すべき「NHKの異変」

込められた怒り

“クローズアップ現代+の取材や放送が、郵政側の不当な圧力によって歪められたという報道がありました。しかし、こうした報道は事実と異なります”

という、のっけから熱い切り出し方で、NHKらしい冷静沈着な文体の裏にはっきりとした怒りを感じる。NHKが番組についての疑問に広報や上層部の会見などで答えることはあっても、番組の現場から直接メッセージが出るのは前代未聞。どうしても言いたいことがあったのだろう。

このページでは、改めて詳しく経緯が説明されている。これも直接中身を見てもらうのが一番だろう。例えば、圧力を受けて削除したとされる番組の動画を堂々と再掲している。あらためて公開したこと自体、「圧力に屈して削除したんじゃないんです!」と決然と表明する意図が込められているように受け取れる。

 

「クロ現」チームの説明はこうだ。日本郵政から会長宛ての文書で動画の削除が求められ、その後も、日本郵政への取材を申し入れても「動画を消さないと応じられない」の一点張りだった。取材が進展しなかったので、8月の続編の放送を断念した。併せて、情報提供を呼びかけるためにWEBサイトに掲載していた動画も役割を終えたので、公開をやめた。続編の制作を諦めたのは8月で、経営委員会からの厳重注意は10月だから、時系列で見ても圧力と続編断念は関係ないと言える。

この猛反論の文書を読んで、毎日新聞のスクープ記事と照らし合わせていくと、事実関係にさほど食い違いはない。ただ、大きく違うのはニュアンスだ。

毎日の記事は、“郵政側が続編の取材を断ると伝えるなどしたため、同局は8月上旬に続編延期を決め、動画2本を削除”と書いている。実は本文では、「クロ現」チームの反論通りなのだ。だが見出しのつけ方は経営委員会の注意と続編延期の因果関係を匂わせるもので、“釣り見出し”のようにも思える。「クロ現」チームの怒りももっともではないだろうか。