とある東戸塚の洋食店が「15年も愛され続けるワケ」

ロビンソン酒場を往く⑧
加藤 ジャンプ プロフィール

お手頃価格でなんでも美味い

その日は、まず生ビールをたのんだ。もちろん、サーバは掃除が行き届いていて、旨い。で、肝心のつまみを選ぶだんになって、まずは、その日メニューとして、牡蠣のアヒージョとエビのアヒージョがあり迷った。それで、無理を承知で両方を使ったものをお願いすると快諾。

牡蠣とエビのアヒージョ

香り高いオリーブオイルがふつふつと煮えるなか、大粒の牡蠣とプリンとしたエビがいる。熱いを承知で口にはこび、蒸気機関車のようにホッホッと言いつつ食べた。

値段はお手頃だから、決してとんでもなく仕入れ値が張る高価な素材ではないのかもしれないのだが、その味わいは、魚介に親しんでいる人だからこそできる、本当に旨い料理なのである。しかも味付け、ことに塩加減は控えめで、酒がなくとも、ひたすら食べ続けてしまいそうなほど律儀に仕上がっている。

つづけて注文したのは、これは定番でカマンベールのフライ。これもまた、薄衣をまとったカマンベールチーズを、麦秋を思わせる狐色に揚げたツマミである。こちらもプライスからすれば、恐ろしいほど高価なカマンベールチーズではない。

 
カマンベールのフライ

それが、こうして智弘さんが揚げると、カマンベールチーズの新たな一面を見せつけられるような品になっている。

そして、塩加減はチーズのそれでまかなっているから、決して塩辛すぎることはなく、子どもでも大喜びするはずだ。で、これを食べた大人は子どものようにはしゃいでしまう。なにしろ酒にあう。元来、酒にあうものを一工夫して、さら酒との相性を増強している。