靴のサイズが「若い頃より大きくなったら」要注意

50歳で足形は急変する(後編)
アシックス スポーツ工学研究所

かかとは内側へ倒れていなかった

足に長年体重をかけ続けていると、女性でも男性でも、影響が出てくるのは当然の話です。しかし、変化の仕方が、女性と男性で異なっているのは興味深いと思います。やはり、女性の骨格のほうが華奢で崩れやすいのでしょう。

日本人のかかとをうしろから見たとき、そもそも2度ほど、内側へ傾いていると述べました(かかとの外反)。この傾きは加齢によって小さくなります。

その加齢による傾きの変化にも、男女差は見られます。平均でいうと、70歳以上で女性のほうが男性よりかかとの外反角度が0・5度小さくなります。より外側に体重がかかるようになる人が多いのです。

内側縦アーチの高さは、舟状骨から地面までの距離で評価すると述べました。この舟状骨は、足の内側寄りにある骨です。加齢によってかかとの内側への傾きが小さくなるということは、連結されている舟状骨の位置も高くならないとおかしいはずです。

ところが、図8右下に示すアーチ高の年齢層別のグラフを見ると、男性では50歳未満と50歳以上であまり差が見られないのです。

一方、右上に示す女性の場合はアーチ高がむしろ低くなり、50歳以上で0・9ミリ低くなります。ここから考えられるのは、かかとが内側に傾かないぶんだけ内側縦アーチが潰れているのだろうということです。つまり、三つのアーチのバランスが崩れてきているのです。

もちろん、かかとがさらに内側へ傾く人の場合は、アーチ高がもっと低くなります。どんどん偏平足に近づいていくわけです。

なお、図8右に示すように本格的にアーチ高が低くなりだすのは、女性の場合は60代から、男性の場合は70代からです。

50歳以上の多くは、かかとが前に倒れながら、かかとの内側への傾きが小さくなる(逆に内側へ傾く人もいる)。これが50歳を境に起きている変化なのです。女性のほうが顕著だとはいえ、男女ともに横アーチも内側縦アーチも潰れていくわけです。