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オンワード大量閉店が、同業他社より「4年遅かった」深いワケ

ECの「自社サイト比率」がカギになる

同業他社より「4年遅い」タイミング

10月上旬、オンワードホールディングスが2020年2月期第2四半期連結決算において、国内外の2割の店舗数にあたる600店舗の閉鎖の決定を発表、特別損失252億円余りを計上し、大きな話題となった。

この報道を聞いたとき、実は少し意外に感じた。なぜなら、何百店単位の大量閉店というのは、オンワード同様に百貨店に強い大手アパレルであるワールド、TSIホールディングスの2社はすでに3~4年前に完了させていたからである。

オンワードを含むこれらの企業が苦戦に転じた時期はほぼ同じで、2013~2014年あたりのことになる。オンワードホールディングスが減収に転じたのは2014年2月期で、営業利益は前年比15・8%減の94億円となった。

ちなみにワールドは、2016年3月末までに400~500店舗の閉鎖を行っているし、TSIホールディングスも2015年2月期末までに900店舗の閉鎖を完了している。減収傾向が続くのは同じながら、オンワードの大量閉店はこの2社よりも4年ほど遅れて行われることとなる。ここにはオンワード独自の方針や事情があると推測される。

 

百貨店とともに成長したオンワード

まず、オンワードが大量閉店せざるを得なくなった理由だが、これは、地方・郊外の百貨店が大苦戦しているからだろう。オンワードは「百貨店とともに育った」と揶揄されるほど、百貨店とは長らく蜜月関係にあった。

伊勢丹新宿店〔PHOTO〕Gettyimages

百貨店は、商品を買い取らず、売れた分だけ代金を支払って売れ残りは返品できるという「消化仕入れ」という取引形態で成り立っているが、これを百貨店に提案したのがその昔のオンワードだったというのは、業界では有名な話である。

この「消化仕入れ」への過度の依存が、後年、百貨店の商品力を大きく損なってしまうようになるのだが、まことに吉凶禍福は糾える縄の如し、である。メリット100%のシステムもデメリット100%のシステムもこの世には存在しない。このオンワードの提案が業界のスタンダードとなってしまうのだから、いかにその関係が強固だったかが窺えるだろう。