13歳女優の官能シーンに批判殺到、上映中止に。女性監督が振り返る

まるで「あいトリ」…問題の本質とは
此花 わか プロフィール

現代のベトナム人女性が直面する性差別

――ベトナムは(男女格差を図る)ジェンダー・ギャップ指数が2018年の調査では149カ国中、77位でした(ランキングが低いほど不平等。日本は同調査で110位)。つまり、日本や中国(103位)、韓国(115位)に比べたら平等なわけですが、現代のベトナム女性にとって、キャリアと家庭を両立することは難しいのでしょうか?

 

メイフェア監督:女性は家庭に従事するものだという社会的抑圧はいまだに強く、仕事と家庭の両立はとても困難ですね。ただ、若い女性には「女性は仕事か家庭を選ばなくてはいけない」と思い込まないでほしい。両方を完璧にしようと思えば難しいかもしれない。でも、両方理想通りにいかなくても、どちらかを選ぶよりはいいと思うんです。実は、このプロダクションのスタッフには撮影中に臨月になった女性がいたのですが、なんとかみなで協力して、彼女が仕事をできるような環境を整えたんです。

――ベトナムは出生率が1.95人と、日本に比べたら高いですよね。ベトナムの女性たちが直面している仕事や家庭における性差別はどのようなものですか?

メイフェア監督:政府の「2人っ子政策」で男女の産み分けによる中絶が多いことですね。ベトナムの男女の出生率比は女児100人に対して男児115.1人というレポート(ベトナムの保健省人口・家族計画化総局による2018年の調査より。自然な出生の場合は女児100人に対し男児105人前後)を読んだことがあります。女性性を描いたこの映画が21世紀のベトナムで論争を巻き起こしたのも、根強い尊女卑が存在しているからだと思います。

『第三夫人と髪飾り』より
『第三夫人と髪飾り』は10/11(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー
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