13歳女優の官能シーンに批判殺到、上映中止に。女性監督が振り返る

まるで「あいトリ」…問題の本質とは
此花 わか プロフィール

一夫多妻制の妻たちが恐れたもの

――本作で描かれる妻たちのなかで、嫉妬や争いというものが見られませんね。

メイフェア監督:曾祖母や祖母に不思議に思って何度も聞いたんですが、本当に彼女たちの間には“嫉妬”という意識がなかったらしいんです。ベトナム戦争前は裕福な夫の家にはそれぞれの夫人の寝室があったそうですが、戦争後は困窮して広い家もなくなり、一室で夫婦が全員一緒に寝る家族も多かったそうです。「そんなのありえない!」と祖母達に言ったら、戦後の厳しい生活でたくさんの子供を育てるなかでは、お互いに嫉妬して争う余裕はなかったと言うんです。

もちろん人間ですから、多少の嫉妬はあったと思いますが……。ただ、曾祖母や祖母が言うには、当時の一家の主の男性は家族にとっては“恐ろしい存在”で、彼を怒らせないように、女性たちが団結して平和を保とうとしていたそうです。

『第三夫人と髪飾り』より

――本作は、登場する女性一人ひとりがさまざまな、大切なメッセージを放っているように見えます。

メイフェア監督:本作に登場するさまざまな女性を通して描きたかったのは、伝統的慣習がもたらした女性の苦しみの源、“抑圧された女性性”です。これは私の家族のパーソナルな物語ではなくて、世界中の“すべての女性の物語”なんです。

――この作品で描かれる女性たちは伝統的な慣習に抑圧されているものの、現代にも通じる強さを持っていますね。特にラストシーンは物議を醸すと思いました。

メイフェア監督:私が4歳のときに父が他界し、曾祖母に祖母や母など、強い女性に囲まれて育ってきたというのもあるのかもしれません。これまでの歴史で、女性は家庭で働きづくめで生きてきました。とても強いですよね。私はまだ未婚ですが、30代の働く女性として、“母親は強いんだ”と伝えたかった

そして、ラストシーンにはこだわりました。あのシーンは現代にも通ずる“女性の権利”について問題提起しています。