13歳女優の官能シーンに批判殺到、上映中止に。女性監督が振り返る

まるで「あいトリ」…問題の本質とは
此花 わか プロフィール

――他の国ではどのような反応があったのですか?

メイフェア監督:さすがにベトナムのような大論争までには発展しませんでしたが、好き嫌いの両極端に分かれましたね。この映画は、どこか人の無意識に働きかけるみたいで、ある一部の人達の神経にさわるようです。それは、本作のメッセージが現代の女性の権利、例えば、中絶の権利などにも繋がる要素があるからでしょう

『第三夫人と髪飾り』より

――この映画を嫌う人たちは、やはり男性なのでしょうか?

メイフェア監督:ほとんどの批判はSNS上なので、実際の性別までは分かりませんし、私に面と向かって非難した人もいないのでなんとも言えません。特定の性別よりも、「女性はこうあるべきだ」というジェンダー・ロールに囚われている人達から嫌われているように思います。

驚いたんですが、ベトナムでの論争や女性の権利を表現したラストシーンがハリウッドでも話題になったんですよ。こんな小さなインディーズの映画なのに。

 

白人男性が権力を握る欧米の映画界

――世界の映画界において、女性監督はまだまだ少ないですよね。

メイフェア監督:はい、かなり少ないと思います。私が活動の拠点にしているアメリカでも、アジア人女性の映画監督は非常に少ないのが現状。特に大きな劇場で公開されるような作品にはほとんどいません。アメリカで製作されるフィクション映画の監督の全体の4%が女性だと言われていますが、アジア人女性が占めるのは全体の1%にも満たないでしょう。私は若い頃、ロンドンで劇場関係の仕事をしていましたが、ヨーロッパでも女性の映画監督は少ないですね。

――だから、スパイク・リーから投資を受けても、ポスト・プロダクション(撮影後の作業)の資金集めに数ヶ月もかかったのでしょうか?

メイフェア監督:想像してみて下さい! 白人男性の投資家たちがでーんとふんぞり返っている大きな席で、私みたいなアジア人の若い女性が、19世紀を舞台にしたベトナム女性の映画を売り込もうとしているシーンを(笑)!

それに、やっと資金が集まっても、共産主義国のベトナムで撮影するのは本当に大変でした。セットにたびたび警察が現れては、ひとつひとつのシーンを厳しくチェックしていったんです。でも、どうしてもこの作品は完成したかった。この映画を観た方に、女性差別は昔から現代まで連綿と続いているということを改めて実感してもらえたらうれしいです。