「女性として好きじゃないから
その気になれない」

子どもが生まれてみたら、元夫は子どもを可愛がった。離婚話はなんとなく立ち消え、休日にはお出かけをして、傍目には幸せな3人家族。でも、元夫のえりさんに対する態度は変わらないままだった。
「私は元夫と夫婦として仲良くしたかった。それこそネットで『夫の気持ちを取り戻す方法』など、たくさん検索しました。でもダメ、取りつく島もない」

子どもの話題で笑い合うことはあったが、たとえば保育参観に2人で行っても、園を出たらその場で「じゃあ」と踵を返す。2人ともこれから昼ごはんだというのに、一緒に食べるでもない。保育園仲間とは家族ぐるみのお付き合いをしていたが、その場では笑顔で過ごしていても、さてみんなと別れると、サーッと真顔になってしまう。その一つひとつに、えりさんは深く傷ついた。

もちろん、セックスもなし。えりさんから何度か誘ってみたが、「疲れてるとか言って断られるならまだしも、『女性として好きじゃないからその気になれない』と言われると、こちらも心が折れてしまい……」

結婚前には素敵に見えた「マイペースで言いにくいことでもズバッと言うところ」。結婚後、その鋭い刃は妻に向いたのである。

女性として好きじゃないと言われて、笑顔で生活するのは簡単ではないのでは……Photo by iStock