専門技術で薬草を発酵させ
これまでにない万能効果を

冬場は深い雪に埋もれてしまうため、温度や湿度を調整できるビニールハウスでも苗を育成している。

ところが現実は、「薬草を発酵させる」ことは想像以上に難しいものだった。なぜならば、薬草は本来、発酵しにくいもの。化学的には発酵と腐敗は同じであり、生体防御機能のある成分を持っている薬草は腐りにくい。成分は豊富だけれど、微生物がそれを分解しにくいのだ。防虫剤などにハーブが使われていることからも想像ができる。だからこれまで、薬草と発酵を組み合わせた商品が存在しなかったのかもしれない。そこで諦めずに解決策を探して出会ったのが、微生物を専門に扱う「秋田今野商店」。菌や酵母を扱うという産業は江戸時代くらいからあったらしく、「秋田今野商店」のルーツは酒どころである京都の麹屋だそうだ。

今では麹菌生産では、国内屈指と言われ、老舗の顔と最先端バイオ企業としての顔を併せ持ち、独自のノウハウをたくさん持っている微生物のプロである。さっそく相談してみたところ、頼りになるアイデアを出してくれた。そのアイデアのなかから「アルビオン」が選んだのは、「秋田今野商店」オリジナルの「しらかみ」という麹。麹は、酵母菌や乳酸菌と比べても非常に多い、200種類以上もの酵素を作り出す。なかでもこの純白麹「しらかみ」は、真っ白で希少な品種である。

「白神ファーム」の薬草と「しらかみ」を組み合わせることによって作られたさまざまな発酵代謝物は、無数の有用な成分となりうる。さらに注目すべきは、発酵を自然な成り行きに任せるのではなく、化粧品を作るために計画的に発酵させるという「アルビオン」独自の発想。あらかじめ、得たい肌効果などの条件設定をし、それを叶えるべく、微生物を働かせるのだ。これは、植物の根や葉などから抽出したエキスや、ペプチドなどに代表される人為的な合成成分とも違う、まったく新しい概念による、これまでにない成分の開発となった。

無農薬栽培したヤマヨモギは、収穫後、洗浄から乾燥を経て分別作業へ。エキスの濃度を高めるため、茎などの余分な部分を手作業で取り除き、葉のみにする。

原料となる植物は、試験栽培を含む50種類のなかから5種類の植物を厳選した。古来、幅広く薬効が知られ、かつ、香気や風味、色素など固有の特長をもつものばかりだ。ベースとなっているのは、優れた薬効成分が期待できる2種類のヨモギ。さらに、目が覚めるような色鮮やかなブルーが美しいヤグルマギクやコウスイハッカ、タチジャコウソウをプラス。これらはあらゆるフィトケミカルを網羅できる5種類であり、今、考え得るベストな選択だった。

そして、酵素を200種以上持つ麹菌とかけ合わせ、発酵というプロセスを加えることで、フィトケミカルの種類と量を劇的に増やすことに成功した。その結果、フラボノイド類やアミノ酸類、各種ビタミン・ミネラル類を始め、膨大な数の有用成分が確認されたという。