知る④日本酒

〈日の丸醸造〉を代表する日本酒ブランド「まんさくの花」は、“きれいで優しい酒質”を目指して誕生した。酒米のほとんどは地元の契約農家から仕入れている。

「美酒王国」と称される秋田には、大小合わせて30以上の蔵元がある。米どころで作られた最高の酒米と、澄んだ湧き水が織りなす日本酒に、全国のファンが唸る。「NEXT5」など、新たな動きにも注目を。

伝統と革新の日本酒づくりを
【日の丸醸造】

水や氷をステンレス製の試桶(ためおけ)でタンクへ運ぶ。すべて人の手でお酒を仕込んでいた頃は、もろみやお酒、水などを木の試桶で運んでいたという。

米どころの秋田には、日本酒の蔵元が30以上。これからの日本酒業界を牽引する「NEXT5」(ゆきの美人の〈秋田醸造〉、山本・白瀑の〈山本〉、一白水成の〈福禄寿酒造〉、新政の〈新政酒造〉、春霞の〈栗林酒造店〉)の動きにも注目が集まる。

ひとつの試桶に入る量は18ℓ、一升瓶で約10本分。ステンレスやアルミ製になったのは戦後のこと。

秋田の蔵元の位置をマップで見てみると、県の南側に多いのがわかる。山に降り積もった雪が解け湧き出る伏流水が、日本酒づくりに欠かせないからだ。内蔵の町として知られる横手市増田町も、栗駒山系の清らかな伏流水が湧き出る土地。そんな県内屈指の良水を4基の井戸から汲み上げ、日本酒づくりに利用しているのが〈日の丸醸造〉だ。

タンクごとに酒米や酵母、麹を変えて日本酒づくりをする。写真は旧タンクで、現在は温度管理などができる最新のタンクを使用している。

元禄2(1689)年に創業し、戦時中に一度は廃業するも、戦後に復興した。1981年には横手市を舞台にしたNHKの連続テレビ小説『まんさくの花』が放映されたのを機に、同名の日本酒「まんさくの花」が誕生した。以降、蔵を代表する銘柄として親まれていくこととなる。

〈日の丸醸造〉の蔵は、秋田県内で4番目に古い。戦前に使用していたような木製の試桶もある。

戦後三代目となる佐藤公治さんは、大手菓子メーカーに勤めたのち、家業を継ぐため秋田へやってきた。新しい味への挑戦や、技術の革新にも積極的だ。日本酒の数値を日々分析することで、安定した酒づくりに取り組む。

日本酒度やアルコール度に加え、グルコース度や酵素力価などの数値を毎日分析。最新式のタンクは、マイナス域までの温度管理が可能で、温度管理しやすいという。一年を通して、一升瓶で約18万本分もの日本酒を製造。完成したお酒は冷温のまま瓶詰にし、火入れと急冷を行う。徹底した温度管理により、香りを保つことができる。

また、日本で唯一の自動製麹機「ゆりかご」を導入、何日も泊まり込みが必要だった蔵人たちが、休みをとれるようにした。日本酒業界にも、働き方改革の波がやってきている。

日の丸醸造
200円で国の登録有形文化財に登録されている内蔵の見学ができる(20歳未満は無料、予約不要)。内蔵見学では蔵元直売所でお酒と甘酒の試飲が楽しめるほか、チケットの半券が200円分の買い物券になる(1000円以上の買い物で使用可)。
秋田県横手市増田町増田字七日町114-2
☎0182-45-2005
営業時間:10:00~16:00
定休日:なし