40代も半ばを過ぎると「なぜ結婚しないの?」と面と向かって聞いてくる人はほとんどいないが、40歳になるかならないかの頃はよく聞かれたものだ。別に聞かれるのは構わない。結婚願望のない私は、そういった質問に傷つかない。ただ面倒くさいなと思う。

大した理由はない。結婚したくないからしたくないのだ。「男性に対してイヤな思い出でもあるの?」と心配してくれる人もいるが、そういうわけではない。私はひとりで気ままに生きていきたい、それだけだ。ついでにいえば、セックスも料理も家事も子どもも好きじゃない。もちろん、結婚したからって、必ずしもセックスや料理や家事をしなければいけないなんて、前時代的なこと、思ってないけど。

「結婚したくない」という思うのは自由

「なんで結婚しないの?」という無邪気な質問には、じゃああなたはなぜ結婚したのと思いながら、「できないし、したくないし、興味ないんですよ」と笑顔で答え(実際そうだし)、なるはやで会話を終わらせるように努めてきた。一生懸命、説明しても相手に納得してもらえないことがほとんどだ。「なぜその心境に至ったか」「どうしてそう決意したか」と聞かれたりもする。だから、「心境に至った」わけでも、「決意」したわけでもなく、自然にそう思っただけです……。

全員とは言わない。それでも、多数派ではない、そして、自分とは違う属性にカテゴライズされる「結婚しない」という生き方が理解できない人は少なくない。まあ、理解してもらえないのはいいとしよう。時々、考えを改めるように説得されたり、結婚がいかにすばらしいか、それに気づかない私がいかに気の毒な存在であるか語ったりする輩がいる。始末におえない。

まあ、最近はそんな鬱陶しいことも少なくなった。加齢に伴い、代謝は悪くなったし、お腹はぷよぷよしてきたし、そろそろ「大人の眼鏡」や白髪の手入れの必要性を感じるようになってきたし、日々老いの切なさを感じているが、結婚について聞かれなくなったのはほんと良かった、生きるのが楽になった。加齢、バンザイ!

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