SNSでは、時々、「診断メーカー」が盛り上がりを見せることがある。先日は、「死ぬまで独身でいる確率」の診断がTwitterのトレンド入りで大いに盛り上がっていた。ここに見えたのが「その確率が高い=不幸」というイメージのツイートが多かったこと。そこで自ら「自主的かつ能動的にに結婚しない宣言」をしているライターの長谷川あやさんに、その盛り上がりについて分析してもらった。

確率が高い人は自虐、低い人は希望

ツイッターで、「#死ぬまで独身でいる確率」がトレンドに入っていたので、思わずクリックしてしまった。 

「なんだそりゃ?」という方に、簡単に紹介させていただくと、診断したい名前を入れると、その名前の人が「死ぬまで独身でいる確率」が数秒で診断できるのだ。「診断メーカー」には、いろいろな設問があり、モテ期を調べたり、生涯年収を調べたりすることもできる。多くの人はそれがなんの根拠を持たないことをわかっていて診断をする。そして、診断結果を、SNSを通して人に報告したりもする。まさに、「なんだそりゃ?」なのだが、要するにSNS上のちょっとしたお遊びだ。

ツイッター上で、「#死ぬまで独身でいる確率」とタグ付けされた発言を見回してみた。得てして、確率の高い人は自虐的で、低い人は希望を見出している。それがすべて本音だとは思わないが、多くの人は結婚に関心があり、そして、やはり結婚したいと思っているのだなあと改めて実感した。

「国立社会保障・人口問題研究所」の「人口統計資料集2019」によれば、50歳時に未婚の割合を示す「生涯未婚率」(45〜49歳の未婚率と、50~54歳の未婚率の平均)は、最新データの2015年調査で男性は23.4%、女性は14.1%。少数派ではあるが、レアキャラというほどではない。

この診断が盛り上がりを見せるのは、多くの人にとって、「死ぬまで独身でいる確率」が大きな問題だからだろう。そして、切実に結婚したい、けれどできない人は、根拠がないとわかっていながら、この数字に一喜一憂してしまうのではないかと思う。多くの日本人は、いや日本の社会は、いまだ結婚という呪縛にとらえられているような気がしてならない。そして、結婚という制度に興味がなく、むしろしたくない私には、それが本当にばからしく思える。ちなみに、「子孫を残すための結婚」という論に関しては、結婚=出産ともいえず、今回はそれ以前に「結婚=幸せか」という視点の論考なので、切り離して考えたい。

ふと20代前半の頃の女子会(その頃は「女子会」なんて言葉はなかったが)を思いだした。数人の同年代の女性数人で飲んでいる最中、誰かが言い出した。

「この中で、いちばん結婚が遅いのは私だろうな」
「えー私だよ」

そこにいた誰もが、自分こそ結婚が遅い宣言をしだした。まるで、結婚が遅いのが悪いことのように自分を卑下するのだ。私はちょっとしたカルチャーショックを受けた。そして、今思えばそんな必要もなかったのに、「それ絶対に私だから。そもそも結婚しないし」と宣言した。ちなみに、その場にいた女性たちは、私以外、すでにみな結婚している。きっと彼女たちはもう、あの新宿の夜のことを覚えていないだろう。でも私は、結婚に関する価値観や考え方がとても画一的なこと、それが自分とは異なることを痛感し、落胆したあの日のことを、今もはっきりと覚えている。