2019.10.22

なぜ妻は「うちの夫、ポンコツ」と感じるのか?目からウロコの夫婦論

ベストセラー『妻トリ』著者が語る
黒川 伊保子 プロフィール

夫をプログラミングしてみる

── しかしその悩み、よくわかります。

まあ確かに、ケースバイケースで「解決案」もいろいろです。だから最初は、「パックが250以下だったら小さめのパックは追加してもいい」といったところまで、リストに書きました。でも「すごいな」と思うのは、徐々に覚えていくんですね。諦めすにきちんと積み重ねていくと、ちゃんと覚えてくれるんです。

今はようやく、夫という「ひじょうにプログラミングしにくい装置」の設定が一応、完了して、掃除の仕方からなにから、見出し語だけで通じるようになったところです(笑)。だから「ここまでくれば、ぜひ長生きしていただきたいな」と思っています。

 

── あきらめないで、続けてみる。そういう提案が『夫のトリセツ』の素敵なところだと思いました。

「人生100年時代」になると、結婚生活だけで70年にも及ぶことも珍しくありません。そうすると、たとえば夫のプログラミングに30年かけたとしても、まだ40年あるわけですから。

それに、投げ出さずにもうひと手間をかけたものは、愛おしいんですよ。ピアノでなんでも、すぐにできてしまう天才って、飽きて投げ出すでしょう? しかし天才じゃない人は、むしろずっと練習していたりする。

どこかそれと同じように、最初からできる夫より、手間がかかって腹が立って、ケンカして離婚も考えて、そしていま買い物ができる夫というのはそれだけでもう、愛おしいじゃないですか。

神は、夫婦を分かとうとしている?

実は『夫のトリセツ』は『妻のトリセツ』と鏡写しの関係ではなく、「なぜ妻が夫に対して、距離感を感じるようになるのか」について書いているんです。

── 神はふたりを分かとうとしている?

そうです。生き物のシステムとして考えると、ひとつの生殖が終われば、次は違う遺伝子の組み合わせをつくったほうが合理的。より多様な遺伝子のバリエーションをつくれるわけですから。

だから脳には、妻が夫のことを積極的に嫌う段階が来るように、プログラミングされている。ひとりふたり子どもをつくったら「1回この人を捨てよう」と脳が仕掛けてくる。

ある意味、「自然界の神は二人を分かとうとしている」わけです。妻の脳に仕掛けられているこの魔法を、まず解くことから始める。実は『夫のトリセツ』とは、そうした本なんです。