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なぜ妻は「うちの夫、ポンコツ」と感じるのか?目からウロコの夫婦論

ベストセラー『妻トリ』著者が語る

AIやロボット工学の研究は、「人間を理解し、その機能を再現する」という、言わば究極の人間学。人工知能開発に携わってきた黒川伊保子さんの著書『妻のトリセツ』は、その実践的なわかりやすさが「夫」ばかりか「妻」にまで支持され、40万部を超えるベストセラーとなった。

刊行されたばかりの続編『夫のトリセツ』では、妻が夫に対し、「思いやりがない」「話を聞いてくれない」「とにかく苛立つ」「一緒にいる意味がない」と思っていることが、じつは男の視点からは「濡れ衣」かもしれない、ということが、AI研究でわかってきた知見からユーモアをもって語られている。

なぜ、夫は気が利かないのか? なぜ、夫は妻の話が耳に入らないのか? そして、「気が利かない夫」をどうすれば「使える夫」に変えられるのか? 著者の黒川さんに、『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』に込めた想いを聞いた。

男の「問題解決脳」との付き合い方

── 『夫のトリセツ』で語られますが、黒川さんの場合、パートナーと話す際、「ただ話を聞いて、共感してくれればいい。問題解決は必要ない」と、最終的な着地点までをセットして話すそうですね。これは有効でしょうか?

うちの夫には有効ですね。うちの場合、夫も理系なので論理的に最終目的を言われた方がいいタイプです。いろいろ聞いてみると、もともと「問題解決型」の夫ほど、目的をはっきりさせておいたほうが「あっ、そうなんだ」とうまく行く傾向があるみたいですね。

逆に意外と「共感してるぞ俺は」と思い込んでいる男性の場合のほうが、「解決は必要ない」と妻に言われると「必要なくないだろ!」と、感情的になる場合があったりする。こういうところは、相手の脳のタイプによりますね。

 

── よく「買い物でもLINEで画像を送るくらいしないとちゃんと買ってこない」など、「男はなんでこんなポンコツなんだ」という妻の声がありますね。だから『夫のトリセツ』の「男は目的をきちんと与えると機能する」という提案を拝読して「なるほど!」と感じました。

そうしたところは本当に「男性脳」のおもしろさですね。うちの夫もわかりやすい「問題解決脳」です。そちらのほうに特化して優秀であるほど、マルチタスクはきかない。買い物を頼むときもリストをつくって渡しますけど、いつも人工知能のプログラムより大変だと思うんですよ。たとえば「鶏肉250グラム」といった場合、280まで買っていいのか、240じゃ足りないのか、彼はすごく悩むんですね。

黒川伊保子さん(撮影:川村悦生)