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デキるビジネスマンはやっている「業界の未来を予測する」驚きの技術

「未来予測」はぐっと身近なものになる
ビジネスパーソンに欠かせないスキルである「未来予測」。元防衛省情報分析官である上田氏は「未来予測は現状分析の上に築かれる」と指摘するが、その要点を著書「未来予測入門」から紹介する。

未来予測の手順

「未来予測は現状分析の上に築かれる」と述べたが、このような両者の関係に加えて、インテリジェンス・サイクルの個人レベルモデルを踏まえることで、未来予測は以下のような手順で行うのが最も効率的であると考えている。

 

すなわち、①「問い」の設定→②「枠組み」の設定→③収集&整理→④現状分析&未来予測→⑤戦略判断のサイクルである(未来予測のための情報分析ツールの解説に重点を置くので、ここでは「収集&整理」の具体的な方法については特に言及しない)。

未来予測のサイクル
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それでは順番に説明していこう。

①「問い」の設定

情報分析は必ず「問い」の設定から始めるべきであり、未来に関する予測もその例外ではない。

というのも、「問い」を設定しなければ「キークエスチョン」、つまり自分が「本当に知らなければならないこと」はいつまで経っても曖昧なままだし、同時にこの問いは、最終的なアウトプット、すなわちインテリジェンス・プロダクトの方向性をも規定するものでもあるからだ。

そして立てられるべきこの「問い」は、まず時系列によって「現在の問い」(ただしこれには過去から現在に至るまでの変化も含まれる)と「未来の問い」に分けられる。

次に内容的にYES/NOで答えられる問題なのか、それともYESやNOでは答えられない、たとえば「いつ、誰が、なぜ、どのように」などについて考える問題かに分類される。この場合、前者を「クローズドクエスチョン(CQ)」、後者を「オープンクエスチョン(OQ)」という。

つまり「問い」は、合計で4種類あるというわけだが、実はこれは、あるひとつの「問い」を立てることができれば、それと同時に他の3つも生まれるものである。

この点を「この新商品は売れるか?」という「問い」を例に考えてみよう。

この「問い」を立てるということは、その背後に、「この新商品とよく似た商品Aは売れているか?」「どんな商品が売れているのか?」といった「問い」(=現在の「問い」)や「どんな商品が(これからは)売れるか?」といった別の「問い」(=未来の「問い」)をも同時に存在させることになる。これを図式化すると、上の図のようになる。

もっともこういった複式的な「問い」は、自分が予測したい分野の現状(情報)をよく知っていて、それらの情報の関連性についてもある程度通じていなければ立てられない。よって未来予測を行うには、現状についての確かな知識と、これらの「問い」のカテゴリー間を自在に行き来できるだけの発想力も必要になるのである。

なぜ4つの「問い」を立てることが必要なのだろうか。

先述のとおり、まず、すべての情報分析は現状を見ることから始まる。その際、焦点を絞って見る、視野を広げて見ることが重要になる。この両方の見方を支えるのがCQとOQなのである。

次に、現状分析における2つの見方を未来予測に適用するわけだから、CQ、OQそれぞれに現在の「問い」から未来の「問い」が派生する。

逆に未来の「問い」から考えていく場合は、いったん現在の「問い」に戻すことが大切になる。未来予測は現状分析の上に築かれるものだからだ。

ようするに、最も知らなければならないキークエスチョンを設定するためには、4つの質問のディメンション(分析の軸)を縦横に行き来する思考法が必要になってくるのだ。この点は何度強調してもいいぐらい大事なことである。