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不透明な米中貿易「第1段階合意」…世界経済の冷え込みが止まらない

トランプと習近平の温度差

前進か否か

10月11日に終わった第13ラウンド米中貿易交渉で、農業産品や為替など特定分野で部分的に合意に達した。ドナルド・トランプ米大統領の言葉を借りれば、米中両国は「第1段階合意」に関する前進があったということである。

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この合意の詳細はまだ明らかになっていないが、暫定合意した内容は概ね以下の通り。(1)中国は米農業産品の購入を年間400~500億ドルまで拡大する、(2)中国の外国為替市場の透明性を高めるため、米中両国は通貨協定(人民元安誘導を控える)に同意する、(3)中国は米国の金融サービス企業に対する市場開放を加速する、(4)知的財産権と技術移転の問題(米企業の権利保護)に関する一部はディールで補完するが、残りについては今後の協議対象とする――。

但し、積み残された最大の関心事である通信機器最大手ファーウェイ(華為技術)に関する問題は暫定合意に含まれておらず、ワシントンで劉鶴副首相を団長とする中国代表団は対米非妥協の姿勢を崩さなかった。

具体的には、中国の国営企業に対する産業補助金問題と、習近平国家主席主導の中国の産業政策である「中国製造2025」(Made in China 2025)については交渉対象外の方針を堅持したことだ。

それでいて中国側は、米国が10月15日に発効予定であった中国製品2500億ドル相当に対する25%から30%への追加関税保留を取り付け、11月初旬までに劉副首相のカウンターパートであるロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が北京を訪れて協議を継続する、さらに同16~17日にチリの首都サンティアゴで開催されるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議で習主席とトランプ大統領の首脳会談――を確認できたのである。要は、中国サイドが「実」を獲得したのである。