働く妻と専業主婦の「幸福度格差」が示す、日本社会の厳しい現実

「子ども」の存在がカギになる
佐藤 一磨 プロフィール

妻の「子育て負担」軽減が必要不可欠

働く妻と専業主婦、どちらが幸せなのか。

本稿ではこの疑問の答えを探ってきたが、ここまで見てきた通り、この問に答えるには、子ども持つことが女性の幸福度にどのような影響を及ぼすのかといった点も同時に考えざるを得ない。

日本の女性が直面する現状は厳しく、子どもを持つことが必ずしも幸福度の向上につながっていない。これがさらなる出産の抑制につながっている可能性もあるため、このまま放置することはできないだろう。

 

対策として求められるのは、夫婦間の家事・育児負担の格差是正等を通じた女性の子育て負担の軽減だ。これを達成することによって、子どもを持つことによる幸福度の向上を図り、それがさらなる出産に結び付くといった好循環を形成していくことが望まれる。

*1 本稿は、佐藤一磨(2018)「専業主婦が本当に一番幸せなのか」PDRC Discussion Paper Series DP2017-010の分析結果をもとに作成している。
*2   萩原里沙(2012)「結婚・出産前後の女性の生活満足度・幸福度の変化:「消費生活に関するパネル調査」を用いた実証分析」『三田商学研究』55 (3), 19-35.
*3 Stanca, L. (2012). Suffer the little children: Measuring the effects of parenthood on well-being worldwide. Journal of Economic Behavior & Organization, 81(3), 742–750.
Margolis, R. & Myrskylä, M. (2015). Parental Well-being Surrounding First Birth as a Determinant of Further Parity Progression. Demography, 52, 1147–1166.
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